粒度と仕上がりの表面粗さ(面粗度)の関係について
何かの表面を研磨するとき、表面を滑らかにするという目的は変わりませんが、状況によってどの程度の仕上げ面が必要なのかはまちまちかと思います。工作対象の表面粗さには種々の要素が複雑に絡み合っており、ある部分だけを調整したらすぐに目的とする表面粗さが得られるほど単純ではありませんが、面粗度に影響を及ぼす度合いは各々でも異なります。面粗さに影響を与える要素は大別すると、「砥石の種類・仕様」「研削条件」「加工対象(の種類)」があり、これらは相互に関連があります。
このうち、「砥石の仕様」の中で表面粗さに最も強く影響する要素が「粒度」です。他には、結合度(ボンドの硬さ)、ボンドの種類、集中度、砥層形状、砥層厚み、台金材質と形状、砥粒の種類・グレードがあります。粒度だけ細かくすれば、目的とする面粗さをすぐに達成できるかと言えばそうではありませんが、粒度は砥粒が加工対象に一度にどれだけ切り込んで削り取るかを決めるうえでは、一番影響が大きいと言えます。
このように表面粗さに影響を強く及ぼす粒度ですが、他の要素とも深い関係があるため、この粒度で研磨したら面粗さがこうなる、と言いきることは難しいのですが、ダイヤモンドやCBNといった超砥粒を用いた砥石の場合、大ざっぱな目安としては下記の指標があります。
粒度 | 仕上がり面粗度の大まかな目安 RMS |
---|---|
80/100 | 24〜30 |
100/120 | 18〜24 |
120/140 | 16〜18 |
140/170 | 14〜16 |
170/200 | 12〜14 |
230/270 | 10〜12 |
270/325 | 8〜10 |
325/400 | 8 |
400 | 6〜8 |
500 | 6 |
600 | 5〜6 |
800 | 3〜5 |
1200 | 2〜4 |
1500 | 2 |
スポンサーリンク
- 砥石Q&A一覧へ戻る
- 面粗度が出ません(表面粗さに影響を及ぼす要素について)
- 砥石の粒度と粒径の関係
- 表面粗さのJIS規格について
- 表面粗さの記号RMSの意味について