ホーローとステンレスの違い

2012年8月23日更新

ホーローとは金属の表面にガラスのコーティングをした素材のことです。この金属には、ホーロー用の鋼板が使われますが、鋳鉄やガルバリウム鋼板、アルミ、銅などのほか、ステンレスが使われることもあります。

このように、ホーローはガラスと金属の複合材料ですが、表層はガラスであり、ガラスが本来もっている耐食性や化学製品に対する強さ、耐熱性をもっています。

対して、ステンレスは鉄鋼材料の中でも特殊鋼に分類される鋼であり、鉄にクロムやニッケルを添加して作られる錆びにくく、耐食性、耐熱性、耐薬品性などに優れたものとして知られます。

こうしてみると両者ともに特徴となる強みが似ていますが、ホーローはガラス質のコーティングがしてある分、熱の伝わり方が鉄鋼であるステンレスとは異なります。

強度という面では、ホーローの場合、金属とガラス質が強固に密着はしていますが、このガラス質は本来硬脆材料のため、表面は硬いですが、靭性が求められる局面では注意が必要です。

また耐食性という面では、ステンレスは腐食に強いものとして知られますが、金属そのものを溶かしていくタイプの物質や現象に対して万能というわけではありません。ガラス質は、腐食という点については非常に強い素材であり、ホーローは内部に入っている金属が表層のガラスに守られているため、耐薬品性にも優れているといえます。

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