STAVAX(スターバックス材)とはどのような金属ですか

2011年10月19日更新

STAVAXはウッデホルム社の開発したプラスチック金型用の鉄鋼材料です。スタバックス、スターバックスとも呼ばれます。クロム合金ステンレス工具鋼で、耐食性や耐摩耗性に特に優れた金属になります。表面を美しい鏡面状態に仕上げることができる素材としても有名ですが、加工全般では難削材に分類される金属です。機械的に優れた特性を持つ金属は総じて加工の難度は高いですが、STAVAXは加工硬化が特に大きいため、研削や切削では苦労する素材です。

ウッデホルム社のサイトでは成分や硬度などが公開されていますが、それによると、HRCでは概ね45〜54が推奨されています。常温での密度は7800kg/m3、比熱は460J/(kg.k)、成分はCr(クロム)が13.6%ですが、他にV(バナジウム)、Mn(マンガン)、Si(シリコン)、C(炭素)などを含有しています。炭素量は0.38で、S35Cなどの中炭素鋼に相当しますが、バナジウムをはじめとする耐摩耗性向上のための添加元素を含むため、加工は通常の炭素鋼よりもかなりしにくいと言えます。

研削盤での加工を行う場合は、CBNホイール等が適しています。

ウッデホルム社は特殊鋼を中心とした工具鋼のメーカーで、350年の歴史をもつスウェーデンの会社です。

スポンサーリンク

>「STAVAX(スターバックス材)とはどのような金属ですか」についての先頭へ

砥石Q&A一覧へ戻る

「STAVAX(スターバックス材)とはどのような金属ですか」についての関連記事とリンク

ウッデホルム社|STAVAXの製品紹介ページ
研磨・研削の切り屑、切り粉
S35C(機械構造用炭素鋼)の機械的性質や成分の一覧
炭素工具鋼鋼材(SK材)の用途、機械的性質、成分の一覧
高速度工具鋼鋼材(SKH材、ハイス鋼)の用途、機械的性質、成分の一覧
合金工具鋼鋼材(SKS SKD SKT)の用途、機械的性質、成分の一覧
ステンレス鋼(SUS材)の種類について

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集