砥石の耐用年数について

2012年10月14日更新

ダイヤモンド砥石やCBN砥石、研削砥石などの工業用の砥石の耐用年数や品質保持期限というのは、箱などに明記されているわけではないため、なかなかわかりにくいものです。

保管状態がよいと仮定した場合、使っていない砥石の耐用年数はボンドの種類や結合度によっても変わります。

レジンボンドで集中度、結合度ともに低い場合、つまり比較的ポーラスな状態のものであれば、2〜3年程度は使うことが可能とされます。但し、これは砥石メーカーによっても異なるため、詳細は購入先メーカーの耐用年数を確認する必要があります。

レジン系の場合は、紫外線や直射日光などの影響も受けやすく、保管場所としては湿気の多い場所も望ましくありません。これらの条件が良くない場合は、劣化してしまうことがあります。

メタルボンドは種類によっては、保管状態により錆(腐蝕)が発生していることがあります。砥石のメタルボンドは、金属粉を焼結してあるため、表面は酸化しているので通常は腐蝕は見られませんが、保管している環境の湿度や、周囲からの貰い錆によって腐蝕することがあります。

ビトリファイドはセラミックス系のボンドで上記の二つに比べると耐用年数は長くなりますが、当然、長期間使わなければ劣化はします。研削砥石などはこのボンドが多いですが、高速回転が前提となるため、メーカーの定める耐用年数を確認の上、砥石に亀裂が入っていないか、ラベルもきちんとついているか使う前に調べる必要があります。

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