ステンレス板材の厚みによって仕上げ面粗さは変わりますか。
同じ研磨条件で同じ砥石や研磨材で仕上げているのに、ステンレス板材の厚みによって表面の状態が同じに仕上がらないケースがあります。
ステンレス鋼板などの板材の研磨は、板の状態を精査するところからはじめます。ピンホールやスクラッチと言われる表面の微細な傷は、ステンレス板材の厚みによって変わるケースがあるため、シート状の薄板と厚板とでは研磨工程が若干変えることがあります。ステンレスの鋼種や研磨条件等の他の条件がすべて同じであれば、厚板のほうが一工程もしくは数工程、別の粒度を間にはさんだりすることもあります。
ワークの厚みというのは、加工変質層(加工時に力がかかり組織が変形する箇所)の範囲が変わるため、加工には影響があるのですが一般には軽微なため、機械にチャッキングできるかどうかという点以外はよほど精密な加工以外はこの部分を検討しながら研磨工程を組むことは稀ですが、ステンレス鋼板のように、厚みによってピンホールがよくあるかないかなど研磨に大きく影響するような場合は検討していく必要があります。
また厚みによって表面に「うねり」があると同じような条件で研磨をかけても面粗さを計測したときにずれが出てくることもあります。これはステンレスに限りませんが、研磨を始める前の状態がどうなのかという、出発材料の状態についてはよくよく理解した上で研磨工程の設計や実施をすることが必要です。
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