浸炭

2010年6月26日更新

鋼材料の表層だけを硬化させる表面処理の一つで、材料の表面に炭素を浸透させて、炭素量を高める加工のことです。炭素鋼がより耐磨耗性にすぐれた金属となります。 具体的には、元となる炭素鋼を木炭やコークスなどの浸炭剤のなかで加熱します。すると表層部が高炭素となり、さらに熱処理をすることで浸炭部が硬化します。通常、浸炭部以外には、銅メッキや浸炭防止剤を施して必要部分だけを浸炭します。

浸炭時は、炉を使って900℃から950℃で5〜8時間加熱します。こうすると炭素鋼の表面に0.5mm〜1.5mm程度の浸炭層を得ることができます。 すべての材料に使われるわけではなく、炭素鋼のうち、はだ焼き鋼、リンや硫黄を特に少なくした低炭素鋼に使われます。 浸炭後の性質改善のためにニッケル(Ni)やNiとCr(クロム)を添加したものもあります。

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集