塑性流動(そせいりゅうどう)
加工対象の表面にある一定の力と熱が加わると、「削れる」というよりは表面の形状が溶けるように流動することがあります。この現象を塑性流動といい、研磨によってなぜ表面が平らになるのかを説明する一つの理論でもあります。研削加工や研磨加工のほとんどは、砥石の砥粒が「刃」となって対象の表面を削り取っているわけですが、仕上げやツヤ出しなどポリッシングの領域になると、精度の高い表面粗さの鏡面状態を得る際にはこれだけでは説明がつきません。微細な凹みであっても、その両端が溶けるように流動し、表面が変形することで鏡面状態を形作っていると推測されます。
なお、この現象は加工対象の持つ塑性領域の変形でもあるため、この塑性流動という現象も塑性変形の一種といえます。
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