スパッタイオンポンプ
これは分子線蒸着(MBE)に使われることがあるポンプで、超高真空や極高真空を作るのに強みのある真空ポンプの一つです。その名が示すとおり、スパッタによって作ったチタンの薄膜(チタン板)にゲッタ作用で気体を取り込んで排気するという原理を採用したものです。 印加によって一次電子を生成し、それとガス分子を衝突させて二次電子とイオンを生み出し、このイオンが陰極にセットされたチタン板にぶつかり、スパッタリングの要領でチタン原子が弾き出されます。そのチタン原子が活性ガス分子をゲッタ作用で吸着して気体分子を捕らえ、溜めていく事で真空度をあげていきます。こうした原理から見ても分かるとおり、大量のガスの排気には向かず、高真空の状態からしか使うことが出来ないため、他のポンプと組み合わせて使われることが多いポンプです。
拡散ポンプのように駆動部がありません。また油も使う必要がありません。
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