砥石の粒度と粒径の関係

2017年7月22日更新

粒度は、砥粒の大きさを表します。研削対象である加工物の表面を削り取る「切れ刃」の大きさでもあり、仕上げるワークの面粗度に影響します。ダイヤモンドホイールでは、砥粒にほとんどの場合、合成ダイヤモンドを使っていますので、その粒径を示しています。使用する工程(粗、中仕上げ、仕上げ)、狙いとする面粗さによって選択する粒度は異なります。砥粒は球体ではなく、ほとんどの場合、いびつな形状のため、定められた規格の「ふるい」を通すことで選別し、大きさを分けています。

粒度の規格は、砥石の種類によっても異なるため、違う規格を持つ砥石の粒度同士では同じ番手であっても、粒径の範囲が違うため注意が必要です。

また、砥石の種類が同じで、粒度も同じであっても、研削時にワークに接する切れ刃が多く、切り込み深さが小さいものほど表面粗さは細かいものになります。したがって、面粗度には粒度のほか、集中度、ボンドの種類、結合度、研削条件(回転速度、研削液、送り速度など)も影響します。

他の条件が同じであれば、粒度が細かいほどワークへのあたりは「硬く」感じられます。一般的には、粒度が粗いほうが寿命が短くなり、切れ味は良くなり、粒度が細かいほうが寿命が伸びるかわりに切れ味は落ちます。

砥石を使って行なう研磨は、加工物の表面を拡大した際に見える山や谷になっている表面を少しずつ研磨して平坦にしていく作業です。粗い粒度からはじめ、徐々に細かい粒度に変えていきますが、この粒度の開きがのちの面粗さや作業性にも影響していきます。

砥石の粒度の間隔を狭くしすぎて研削工程を組むと、各粒度での砥石が十分に仕事をしなくなります。反対に、間隔が広すぎると、あとの粒度ほど「切れない」「異常損耗する」などの現象が起きます。加工前のワークの状態、どれくらい削り、どれくらいの面粗さに仕上げるのか、周速度や送り速度などの研削条件はどうするのかなどによって粒度の選択にも幅が出てきます。

またダイヤモンドの砥粒は、研磨作業中に微小破砕を起こしながら研削をするという特徴があります。切削工具ならば先端が破砕してしまうと研ぎ直す必要がありますが、砥石の場合は砥粒が常に生え変わっていきます。

【参考図】粒度と「砥石の切れ味」、「砥石の寿命」の関係

粒度の粗い砥石のほうが研削比(WP、ワークの研削除去体積/ホイール損耗体積)は大きくなる傾向があります。ダイヤモンドやCBNを砥粒とする超砥粒ホイールの粒度に関しては、JIS規格で下記のように定められています。

メッシュサイズ(JIS B 4130 ふるいによる分級)
粒度JIS表示(A方式) 粒度表示(B方式) 平均粒径(ミクロン) ふるいの目開き寸法(ミクロン)
16/18 1181 1180 1180/1000
18/20 1001 1000 1000/850
20/30 852 840 850/600
30/40 602 590 600/425
40/50 427 420 425/300
50/60 301 300 300/250
60/80 252 250 250/180
80/100 181 177 180/150
100/120 151 149 150/125
120/140 126 125 125/106
140/170 107 105 106/90
170/200 91 88 90/75
200/230 76 74 75/63
230/270 64 62 63/53
270/325 54 53 53/45
325/400 46 44 45/38

ダイヤモンドホイールやCBNホイールなどの超砥粒としては、粒度の規格は、#16から#400までとなります。

上記は平均粒径とありますが、実際には二種類の目の開きの大きさが違う「ふるい」を用いて選別しているため、おおむね最大粒径と最小粒径は範囲が定まってきますが、各粒度は同一の粒径で構成されているというわけではありません。また砥粒が完全な真球上の球体ならばまた話は変わってきますが、実際にはいびつな形状をしていますので、ふるいを通すといっても、方向によってはふるい目よりも大きな砥粒が通ってしまうこともあります。研磨とは、表面に砥粒を用いて傷をつける加工方法でもあるため、大きい粒径にあわせて研磨工程を設計していけば、おおむね間違いのない表面粗さを得ることができます。

ダイヤモンドホイールの業界では、上表のA方式の表記が使われ、読み方としては、たとえば16/18であれば、16番の粒度(#16)というふうになります。原則、粒の大きいほうで呼ばれる慣わしです。

ふるいの目開き寸法というのは、一見わかりづらいですが、番手16のダイヤモンドホイールで見た場合、1180/1000と記載されているので、1180ミクロンのダイヤの粒は8%以上ふるいに残ってはいけない、1000ミクロンのダイヤの粒は90%はふるいに残らなくてはいけない、また1000ミクロンの粒は最大8%までならふるいを通過してもよい、という意味です。さらにいえば、1180/1000では710ミクロンのふるいには2%以上透過してはいけないという規定になっています。

これを逆に見ると、まず#16の粒度では、92%以上が1180ミクロンより小さい粒で、90%以上が1000ミクロン以上の粒、1000ミクロンより小さい粒は8%未満、さらに710ミクロンより小さい粒は2%未満ということになります。

このように砥粒は「分布」で表記されるため、まったく同じ大きさの粒がすべて揃っているわけではありません。

砥粒メーカーによっては特注でかなり範囲を狭めたものにも対応してくれることがありますが、範囲を狭くするほどに価格が上昇します。

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上記の表示方法で、たとえば16/20とあるのは、#16のふるいを通過し、#20のふるいに残る大きさを表しています。この場合、砥石の粒度表示は「16」となります。大きいほうにあわせるのは、細かい粒が粗い粒に混じっていても問題にはなりませんが、細かい粒度だと思って使っていた番手に、大きな砥粒が混ざると、せっかく研磨した加工物の表面が傷だらけになってしまうからです。325以降の粒度についてはミクロンサイズで表記しますが、こちらにはJIS等で統一した規格はありません。それぞれメーカーの独自の方法で、水力、風力、遠心分級等の方法で選別します。400番をこえてしまうと、粉の粒が小さすぎ、ふるいでの選別・分級が困難になります。

一般にダイヤモンドホイールでは上記のように400番までの決まったメッシュサイズを適用するため、130番や150番といった表記は本来存在しません。ミクロンサイズは、メーカーにより様々な方法で大きさが選別されているため、一概に比較するのは難しいですが、粒度分布や粒径については砥粒メーカーのスペック表にも記載があります。スラリーなどの液体研磨剤のなかには粒度で換算すると10万や100万を超えるものもありますが、これらは粒径で表記されることが多いです。またイレギュラーではありますが、目的とする効果を出すため、複数の粒度を混合することもあります。この場合、粒度表記は当てにできなくなります。メーカーによっては競合への情報漏えいを恐れ、砥石の仕様表示を正確に行なっていない場合もありますので、これらの表示を鵜呑みにできないこともあります。

ミクロンサイズ
粒度表示 平均粒径(ミクロン)
#500 30〜36
#600 25〜35
#700 22〜30
#800 18〜25
#1000 14〜22
#1200 11〜20
#1500 9〜15
#2000 5〜10
#3000 4〜8
#4000 3〜6
#8000 2〜4
#14000 0〜2
#60000 0〜1/2
#100000 0〜1/4
#240000 0〜1/10

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