砥石(超砥粒)に使われるボンドの特徴について

2010年9月2日更新

砥石は、砥粒とボンド、気孔(ないものもあります)の三つから出来ていますが、このうち、砥石メーカーのノウハウが凝縮され最も特色が出やすいと言われているボンドだけを見ても多種多様なものが知られています。超砥粒、つまりダイヤモンドやcBNを砥粒に用いた砥石の場合、使われるボンド種にはどのようなものがあるのでしょうか。

超砥粒に適した、もしくはよく用いられるボンド一覧

レジン

メタル、ビトに比べると低コスト、取り代(研削量)と寿命のバランス、つまり研削比に優れており、最も広く使われているボンドと言えます。

メタル

研削速度は落ちるかわりに、ライフが長い点に大きな特徴があります。ガラスやセラミックス、コンクリート、石材など研削時に砥粒に衝撃のかかるタイプの加工対象によく合います。

レジメタ、もしくはメタレジ

レジンボンドとメタルボンドを一定の比率で混合したタイプです。双方の利点を引き出したり、単一のボンドではどうしても加工がうまくいかないときなどに検討されることがありますが、あまり一般的ではありません。混合タイプの中にはビト(セラミックス系)とあわせたものもあります。

ビトリファイド

セラミックス質ボンド自体が硬く、砥石の形状が容易に崩れず、精度を出すのには最も向いています。ドレッシングインターバル(どれくらいの間隔でドレッシングが必要になるか)が長いため、加工時間の短縮等にも効果が見込めます。

ポリイミド樹脂

レジンボンドのうち、とくに耐熱性が問題となる局面で採用が検討されるボンドです。CNCなど連続使用が前提となる自動機では、加工の様子を見ながら回転数や送り、切込み、研削液の量などの調整が難しいため、長時間の高温にもある程度耐えられるボンドが理想的です。

電着

切れ味に優れ、低コストで、砥石の形状が一定でないと加工が困難な場合によく検討されるボンドです。

溶着(ブレージング)

電着に似た形状ですが、砥粒の密着力がさらに高いタイプのボンドで、研削力やライフが重要となる局面で使われます。

ボンドの選択は、まさに砥石そのものの性質を変えてしまいます。加工がうまくいかなかったり、少し難度の高い加工を行う場合、今まで使ったことのないものに挑戦してみるのも解決の糸口になる可能性があります。

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