防水規格|IPコードの一覧。IPX, IPX4, IPX5,IP67, IPX7, IPX8, IP68とは

2019年8月25日更新

カメラや携帯、スマホ等の電子機器の防水性能・防塵性能を規格化したものとして、IPではじまる記号(IPコード)による保護等級がその性能表示に使われます。IP, IPX, IPX4, IPX5, IP67, IPX7, IPX8, IP68といった記号で表示されるこれらの防水・防塵性能がどのようなものなのか以下に見ていきます。

電気機器や電子機器の多くは塵や水に対しては故障や動作不良の原因となりますが、生活上これらを避けては通れない用途であったり、もともと水中で使う目的の製品の場合、一定レベルの防水・防塵性が製品に要求されます。

防水規格の種類

家電製品の防水・防塵性能については、IEC(InterNational Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)規格であるエンクロージャによる保護等級(Degrees of protection provided by enclosures(IP Code)/IEC 60529)に基づいた規格が世界的に使われており、日本でもJIS規格「電気機械器具の外郭による保護等級(JIS C 0920)」がこれに相当するものとして規格化されています。

JISは1993年のものが2003年に改定され、現在はこれが最新の防水規格・防塵規格となります。JIS保護等級といわれる場合、この規格を指していることが大半です。

IPコードの見方|数字が大きいほうが水に対する保護が強力?

IPはInternational Protectionの略で、それに続いている数字がどのレベルまで防塵と防水について保護できるかを示しています。

基本的には、IPの文字に続けて記載されている数字が6までについては大きいものほど防水や防塵に優れた保護性能を持っていますが、数字によって噴流に対しての保護なのか、潜水に対しての保護なのかの違いもあるため、例えば噴流に対してはIPX7よりもIPX6のほうが水に対しての保護性能が確かということになります。

防塵・防水の両方についてIPコードで表示できるものの、片方の性能だけを表示してもよいことになっており、表示に関してのルールが決まっています。IPに続いて表示されている数字については、最初の数字が防塵性能、次の数字が防水性能を示しています。

下記の通り、3パターンの表示例を紹介します。

防水規格IPコードの一覧、見方

IPX7となっていた場合、@の赤枠の部分は防塵に対する保護性能を示す数字ですが、この場合、Xとなっているので、防塵性能については省略しているという意味です。「防塵性能がない」とは別の意味となります。

それぞれの数字について規格で定められた試験をすべてクリアしていないとこの部分には数字を記入できないため、防水性能の試験だけ実施している場合は、@の部分はXとなり、多くの防水を謡った製品もこのように表記されているものと思います。IPX7の場合、「水に浸しても影響がないように保護」されている製品となり、そのレベルは、真水の入ったタンクに30分間浸すというものです(製品の外郭上端から水面までの距離は0.15m)。

IPコードが複数表示されている場合

製品にIPX6/IPX8と両方の記載があった場合、両方の試験をクリアしている必要があるため、より厳しい条件をクリアした防水性能を持つことになります。たとえば、IPX8は潜水の条件に適した防水性能ですが、IPX6は暴噴流に対しての防水性能です。製品によってはただ潜水するだけはOKでも、ジェットノズルでの強力な噴流に対してはNGという場合もありますが、双方が記載されている製品の場合は、どちらの基準でも水に対しての保護が確約されていることになります。

IPX8とだけ表示されている場合は、IPX8の基準のみクリアしていればよい、という意味です。

なお、これら規格における「防水」とは真水に対してです。溶剤や薬液が入っているものや高圧のものは想定されていませんので注意が必要です。

防塵性能を持っているにも関わらず、表示としてIPX7やIPX8を使っている製品があるのは、防塵性能を示す@の部分に数字を入れるためには塵等の侵入だけでなく、危険箇所への手指や工具等の接近に対しての保護の基準もクリアしている必要があるためです。試験をしていない=その性能がない、ということではないため、留意すべき点です。

IPコードの一覧

IPコードで示される各数字の定義、意味についてみていきます。防水、防塵・危険箇所への接近についてどのような基準をクリアしたものがそれぞれの数字をつけることができるかを見ることができます。

第一特性数字|外来固形物に対する保護等級と、危険な箇所への接近に対する保護等級

以下は、防塵に対する保護・危険箇所への接近保護を同時にクリアする必要があるIPコードです。防水についての保護基準も満たしている場合は、Xの部分に、防水についての保護等級の数字が入ります。

防塵に対する保護・危険箇所への接近保護のIPコード
保護等級 IPコード例 保護のレベル・定義
0 IP0X 無保護。
1 IP1X 直径50mm以上の大きさの固形物が侵入しない。こぶし(直径50mm)が危険な箇所へ接近しないよう保護。
2 IP2X 直径12.5mm以上の固形物に対して保護。指(直径12mm)での危険な箇所への接近に対して保護。
3 IP3X 直径2.5mm以上の固形物に対して保護。工具(直径2.5mm)での危険な箇所への接近に対して保護。
4 IP4X 直径1mm以上の固形物に対して保護。針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護。
5 IP5X 防塵形。塵埃の侵入を完全には防止できないが、電気機器の動作を阻害する塵埃の侵入があってはならない。針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護。
6 IP6X 耐塵形。塵埃の侵入があってはならない。針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護。
 

第二特性数字|水に対する保護等級

IPに続けて記載される二つ目の文字が水に対する保護、つまり防水性能を表記する部分となります。下表でそれぞれの保護等級の数字がどの程度の防水性能をもつか、さらに下の表でそれぞれの数字がどのような試験をクリアした防水性能かを示しています。IPX7までは試験方法が規格化されていますが、保護等級8、IPX8は各メーカー独自の試験方法を採用することができます。ただ、保護等級7より厳しい試験が求められます。

留意すべきは、数字が大きくとも例えばIPX6が噴流に対する保護の最高レベルのものですが、IPX7は水に沈めるのみの試験であるため、使用環境によっては噴流についての耐性が求められることもある点です。

水に対する保護のIPコード
保護等級 IPコード例 保護のレベル・定義
0 IPX0 無保護。
1 IPX1 鉛直に落下する水滴から保護。
2 IPX2 15度以内で傾斜しても鉛直に落下する水滴から保護。
3 IPX3 散水に対して保護。
4 IPX4 水の飛まつに対して保護。
5 IPX5 噴流に対して保護。
6 IPX6 暴噴流に対して保護。
7 IPX7 水に浸しても影響がないように保護。
8 IPX8 潜水状態の使用に対して保護。

下表は上記の保護等級ごとにどのような水流試験をクリアしていなければならないかを示したものです。

   
水に対する保護の試験内容・条件
保護等級 試験条件
0 試験なし
1 滴水試験装置を用いる。降水量・水の流量は1+0.05mm/minを10分間。
2 滴水試験装置を用いて4つの位置で試験。外郭を15度傾斜させる。降水量・水の流量は3+0.05mm/minを各位置で2.5分。
3 オシレーティングチューブを使い鉛直方向に対して±60度、全長距離200mmの位置から散水する(各散水孔あたり0.07L/min±0.0035L/min。試験時間は10分)。または、散水ノズルを使って、鉛直方向に対して±60度の位置から散水する(10L/min±0.5L/min。1min/m2、最低5分実施)。
4 上記3と同じ装置を使って鉛直方向にたいして±180度の位置から散水。水流の量と時間は3の場合と同じ。
5 放水ノズル(直径6.3mm)を使って距離2.5m〜3mの間で、12.5L/min±0.625L/minの噴流をあてる。1min/m2。最低3分間の試験。
6 放水ノズル(直径12.5mm)を使って距離2.5m〜3mの間で、100L/min±5L/minの噴流をあてる。1min/m2。最低3分間の試験。
7 真水の入ったタンクに浸す。製品の外郭上端から水面までの距離は0.15m。下端から水面までの距離は1m。30分間浸す。
8 真水の入ったタンクに浸す。水位の条件は協議による。時間も協議による。ただし、7よりも厳しい条件下での実施で、継続的な潜水状態で使用されることを考慮する必要がある。

なお、IPX1〜IPX6は、試験対象となる製品外郭と、水との温度差は5℃以内となっています。水の温度が5℃以上低い場合は、外郭に対する気圧を調整することが規定されています。

以上が防水、防塵に対する保護性能を示す規格の基本形となりますが、第二特性数字にさらに続けて、付加文字と補助文字を記載することもできます。例えば以下のような表記も可能です。

  • IP68DH

Dは直径1.0mm、長さ100mmの針金による接近に対して保護。Hは高圧機器であることを示しています。

一般的な家電製品、IPコードが多用されるスマホや携帯電話、時計、スポーツウォッチ、デジカメ等については、通常IPコード表記は4文字止まりで用いられることが大半です。

IPコードにおける付加文字の一覧|危険な箇所への近接に対する保護等級
A  こぶし(直径50mm)による接近に対して保護する。
B  指(直径12mm)による接近に対して保護する。
C  工具(直径2.5mm)による接近に対して保護する。
D  針金(直径1mm)の接近に対して保護する。
IPコードにおける補助文字の一覧
H 高圧機器
M  回転機のロータなどのような電気機器の可動部分を動作させた状態において、水の浸入による有害な影響について試験したもの
S 回転機のロータなどのような電気機器の可動部分を停止させた状態において、水の浸入による有害な影響について試験したもの
W 所定の気象条件のもとで使用が可能であり、付加的な保護構造又は処理を施したもの。

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