風呂で使う場合、イヤホン、スピーカーの防水規格はIPX5かIPX7か
電気機器の防水保護の程度を示す規格にIPコードがあり、イヤホンやスピーカー、TV等にも風呂での使用を想定したものも市販されています。
IPX〜で記載されている数字の部分が、特定の水流・条件に対して防水保護のレベルを示したものとなります。
IPX5からIPX7の防水レベルについては、以下の内容になっています。
防水の保護等級 | 防水のレベル |
---|---|
IPX5 | 噴流に対して保護。放水ノズル(直径6.3mm)を使って距離2.5m〜3mの間で、12.5L/min±0.625L/minの噴流をあてる。1min/m2。最低3分間の試験をクリア。 |
IPX6 | 暴噴流に対して保護。放水ノズル(直径12.5mm)を使って距離2.5m〜3mの間で、100L/min±5L/minの噴流をあてる。1min/m2。最低3分間の試験をクリア。 |
IPX7 | 水に浸しても影響がないように保護。30分間真水のタンクに浸しても製品に支障がない(深さは製品上端から水面まで0.15m) |
一般的なシャワーの噴流というのは、個人差はあるものの10L/min前後となるため、IPX5であれば、シャワーの水流に対しての保護は見込める、という内容です。ただし水流の試験は最低3分間であるため、それ以上継続的な噴流を当て続ける場合は、厳密に言えば規格の範囲外となってしまいます。いわゆる生活防水のレベル言えば、IPX5で十分となりますが、問題はその程度です。
またIPX5やIPX6はウォータージェット等の噴流に対しての保護ですが、IPX7は真水のタンクに浸した場合の保護となる点には留意が必要です。動きのない水につけておくのと、水流に対してでは、機器への水の浸入の仕方が変わります。
防水規格ではクリアしている試験ごとに表記することができますので、たとえば、製品によってはIPX5/IPX7と二つの表記があるものもあります。この場合は、両者の防水基準をクリアしている製品ということになりますので、IPX5のシャワーだけでなく、IPX7の30分間真水の浴槽につけておいても製品には影響なし、ということになります。
もう一点留意が必要なのは、すべての防水規格は「真水」に対しての保護、製品と水の温度差が5℃以内と規定されていることです。海水であったり、温水であったりした場合、水に何らかの薬液や石鹸水、入浴剤入りの水等は、クリアしている試験とは厳密には別環境ということになります。温度差がある場合、製品内で結露するようなものもあります。また海水の多くは、塩化物によりゴム・金属部が劣化することや劣化進行が早まることがあります。
通常は、IPX5程度であればシャワー等で水が多少かかっても問題なし、IPX6であればかなり強い流れの水がかかっても問題なし、IPX7であれば、あまり深くない水にどぼんと製品全体をつけてしまっても直ちには壊れない、という理解でいれば問題ないかと思います。
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