スマホのIP68はどの程度の防水か
IP68とは通称IPコードとも言われる防塵・防水規格を示す等級の一種で、スマホやスマートウォッチ、イヤホン、スピーカー、防水ケースといった製品に表示されていることがあります。この規格は、電子機器や家電製品の防塵、防水性能を示す表示にはよく使われています。
昨今は、生活防水といった性能以外にもプールやお風呂、シャワーなどで用いても問題のない防水性能を備えた製品も多いですが、実際にどの程度の防水性能かにわかには分かりにくいかと思います。IP68というのも、「防塵」と「防水」の二つの性能を示しています。
IPに続けて記載されている数字やアルファベットがその性能を意味しています。
IP68の防水性能
IP68の場合、防塵の性能については「6」となりますので、定義としては「耐塵形。塵埃の侵入があってはならない。針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護する」というものになります。JIS規格での規定では、防塵に対する保護の最高レベルが6にあたり、この試験をクリアしているものにしか6の数字は記載できません。
次にIP68のうち、8の持つ意味ですが、潜水状態の使用に対して保護、と規定されています。
IP68は水深どこまで耐えられるか|水没時や水中での防水性能
IPによる防水性能については、等級8での性能試験で求められる「水深」は最低でも15センチより深いということになっています。等級8の試験内容としては、「真水の入ったタンクに浸す。水位の条件は協議による。時間も協議による。ただし、7よりも厳しい条件下での実施で、継続的な潜水状態で使用されることを考慮する必要がある」となっています。
このため、一つ前の等級7、IPコードで言うとIPX7のレベルがどの程度かを見る必要がありますが、このレベルでは「真水の入ったタンクに浸す。製品の外郭上端から水面までの距離は0.15m。下端から水面までの距離は1m。30分間浸す」とあります。
したがって、IPX8も30分以上水に沈めていても、水深15センチから1メートル程度では製品に支障がない性能を持つ、ということになります。いじわるな言い方をすれば、30分間、1メートル10センチの水深で防水性能をもっていたとしても等級8を名乗ることはできますが、実際には等級7のあまり変わらないような性能ではなく、もう少し高いレベルの防水性能を持つ製品が多いといえます。
同じiphoneでもIP67とIP68、IP68でも違いがある
例えば、iphone 11 ProのIP68の性能は、最大水深4メートルで最大30分間とメーカーサイトに記載があります。iphone 11も等級はIP68ですが、こちらは最大水深2メートルで最大30分間とあり、防水性能に違いがあることがわかります。
iphone XはIP67であるため、最大水深1メートルで最大30分間の防水性能を持ちます。iphone 7やiphone 8も同様に、IP67等級であり、最大水深1メートルで最大30分間での防水性能となっています。
より深い水深ほど水圧がかかるため、防水性能を保つことは難しく高いレベルでの気密性が求められます。留意すべきは、すべての家電、電気製品、電子機器についていえることですが、購入時点の防水性能が永続することは稀で、使用による経年劣化で防水性能も衰えることがある点です。
水位や時間は協議によるという点が曲者ですが、実際多くの家電メーカーでは、ipnoneの事例を見てのとおり、8の等級を表示するものについては、30分以内のプールでの水泳レベルでは製品が破損するということはないレベルの試験を課しています。等級7の性能を超えているという条件で、メーカーごとに取り決めてもよい等級8については、具体的な耐水性能については、製品性能が宣伝にもなるため、製品自体に説明されていることが多く、パッケージや説明書を確認するとよいでしょう。不明時には、きちんとしたメーカーであれば、問い合わせることで回答をもらえます。
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