銀ロウとはんだ付けの違い

2018年6月25日更新

銀ロウとはんだ付けはともに金属を溶かして接着したい母材同士の隙間に流し込んで接合していくロウ付けやろう接と呼ばれる加工技術ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。ちなみにロウ付けは英語ではbrazingといい、はんだ付けはsolderingといって区別しています。

銀ロウもはんだ付けも同じロウ付け

銀ロウはロウ付けあるいはロー付けと呼ばれる金属を使って金属同士を接着させる技術です。

ロウ付けの原理としては、接着しようとしている金属よりも低い融点をもつ金属(これを「ろう」と呼びます)を溶かし、この溶かした金属を接着したい金属の間に流し込んで接合していくものです。銀ロウというのは、この「ロウ」として銀合金を用いる技法のことをいいます。

あくまで、接着対象となる金属である母材は溶かさずに、ロウのぬれ現象を利用して溶着させる技法です。

一方、はんだ付けについても、すずと鉛の合金を「ろう」として溶かし、接着したい金属の間に溶かして流し込む手法で、こちらも実はロウ付けの一種です。

融点が違う銀ロウとはんだ

銀ロウとはんだは、ともに「ロウ付け」に分類される技法ですが、両者の違いを述べるとすれば、それは使うことになる「ロウ」の融点です。銀ロウは種類にもよりますが、600℃前後から900℃前後をロウ付けの温度としていますが、はんだのほうは380℃前後でのロウ付けの温度となります。

ロウ付けの際の融点が450℃以上のものを「硬ロウ」と呼び、450℃未満のものを「軟ロウ」と呼びます。

昨今、はんだは鉛の有害性から鉛フリーのはんだが主流となりつつありますが、こちらもスズと銅の合金やスズ、銀、銅、亜鉛、ビスマス、インジウム、アルミなどを何種か組み合わせた合金ですが、融点はいずれも銀よりは低くなり、軟ロウの分類となります。

ロウ付けでの硬ロウと軟ロウの区分け
ロウ付けの種類 基準となる融点 あてはまるロウ付け
硬ロウ 450℃以上 銀ロウ
軟ロウ 450℃未満 はんだ

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