原子力発電所のメーカー一覧
米国のスリーマイル島、旧ソ連のチェルノブイリ、日本の福島と今世紀の原発の大事故により、世界的に脱原子力の機運が高まっていますが、国によっては原子力推進を表明しているところもあり、今後エネルギー産業がどのように変化していくのかはまだ未知数といえます。風力や太陽熱、地熱、火力、水力とある中、特に日本を初めとする先進国では原子力に依存する割合が大きかったこともあり、エネルギー政策のあり方の見直しを迫られています。福島の事故以前のデータでは、全世界の電力のうちおおよそ16%が原子力によるものとされます。
原子力発電所は、納入先である電力会社によって運営されていることになっていますが、原子炉を初めとする原子力発電設備の製造メーカーは技術的なこともあり、数多くのメーカーが参入できる分野ではありません。世界的には統廃合がすすみ、原子力発電設備の設計・製造が可能なメーカーは世界でおおむね3つの陣営に分けることが出来ます。もっとも、これらのメーカーがすべての部材に至るまで物品を製造しているわけではなく、主契約者ということになります。
原子力発電所設備を製造可能な3つの陣営とは、東芝とウェスチングハウスによる陣営、GEと日立による陣営、三菱重工とアレバによる陣営です。
- 東芝 原子力事業部
- 日本を代表する大手総合家電、電子機器、重電メーカー。BWR(沸騰水型原子炉)・PWR(加圧水型原子炉)両型炉の提供。日本原子力研究開発機構、日本原子力発電、東京電力、中部電力、東北電力、日本原燃などに納入実績。
- Westinghouse(ウェスチングハウス)
- 東芝傘下の原子力発電設備メーカー。PWR(加圧水型原子炉)のリーディングカンパニー。
- 三菱重工
- 日本を代表する重工業、建機、航空機、船舶、防衛機器のメーカー。 国内の加圧水型原子力発電プラントは初期のものを除き、すべて同社が設計・制作・建設を手がける。四国電力、関西電力、北海道電力、日本原子力発電へ納入。
- アレバ(AREVA)
- フランスの原子炉メーカー。世界各国に102基の加圧水型原子炉の納入実績がある。世界の3分の1を狙う。2009年度はアレバグループの38%は同事業からの売上。12000名の従業員を擁する。
- 日立製作所(日立GEニュークリア・エナジー)
- 通信、鉄道、家電、電子デバイスなどを手がける総合電機メーカー。同分野では国内最大規模の会社となる。原子力分野ではGEと事業統合。沸騰水型原子炉を東京電力など各社に納入した実績がある。現在は、GEと統合したhttp://www.hitachi-hgne.co.jp/index.html日立GEニュークリア・エナジーが原子力の事業主体となっている。原子炉のうち、ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)としては国内トップのシェアを持つ。
- ゼネラル・エレクトリック(GE)
- 米国に本社を置く世界最大の重電、電機、軍需機器メーカー。事業分野は非常に多岐にわたる。
- 斗山重工業
- 韓国の財閥系斗山グループの重電メーカー。加圧水型原子炉の技術を持つ。もともと火力発電所の廃熱回収ボイラーでは世界シェア1位を持つ企業として知られ、加圧器を供給していたが、原子炉にも参入。中国やインドなどに納入実績を持つ。
- JSC Energomash-Atommashほか
- かつては米国と覇権を争った大国であり、数多くの原子力関連技術を保有する。リンク先は原子炉や原子力発電所で使用するパイプやタービン発電機、冷却制御装置など原子力機器を製造するロシアメーカーの一覧である。
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- 原子力発電の割合(国別の統計)
- 原子力発電所の一覧(世界、日本)