ベリリウム(元素記号 Be)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

ベリリウムは優れた物性を持ちますが、毒性の強さから一部の合金の添加元素として使われたり、特殊な環境下での使用に限定されています。耐腐食性にとても優れていますが、硬さゆえに切削や研磨は難しく、また発がん性の高い物質であり、粉塵や切り粉を吸い込むと危険です。現在では、ベリリウム銅などの合金として素材に使われますが、この元素の健康への危険性ゆえ、人が直接触れるものへの使用箇所は徐々に減っています。

特性としては、磁化のしにくさ、空気中ではすぐに酸化され表面に皮膜を形成、また熱伝導率が高く、機械的な衝撃にも強い素材です。強い衝撃を受けても他の金属のように火花が散ることもなく、曲げ強度にも優れています。こうした高い物性があるため、軍事、宇宙、航空などの分野での活用が進んでいます。

ベリリウム(元素記号 Be)が活用されている分野

  • 高音域スピーカーの振動板(音が伝わるのが速いため)
  • 検出器、X線源、X線装置
  • 合金の硬化剤
  • 宇宙望遠鏡の反射鏡
ベリリウム(元素記号 Be)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 2s2
英語 Beryllium
原子量 9.012
同位体 7Be、9Be、10Be
融点 1287℃
沸点 2469℃
密度 1.85g/cm3
比重
硬度 モース硬度6〜7程度
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:1.3
293K(20℃):11.3
500K:15.1
800K:19.1
ベリリウム(元素記号 Be)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 26
300℃ 11.1
100℃ 5.3
0℃ 2.8
−195℃ -
ベリリウム(Be)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 93
300℃ 129
100℃ 168
0℃ 218
-100℃ 367

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