ヘリウム(元素記号 He)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

ヘリウムは空気に比べて密度がおおよそ8分の1程度しかないため、飛行船などに充填することで、浮揚させることができます。水素に比べると重い元素ですが、ヘリウムは不燃性の気体であり、安全面でもこちらが使われています。

また液体ヘリウムは冷却材としても欠かせないものとして使われており、−273.15℃の絶対零度でも固体にならずに液体のままという特性を持ち、全元素のなかで沸点が最も低いため、極低温が必要な局面で重宝されます。ただ価格は高価です。

なお、ヘリウムガスは声のトーンを変えることでも有名で、これを吸うと声が甲高くなってしまいますが、これは音が伝わる速度がヘリウムガスの中だと3倍になるからです。

製造は天然ガスから行う方式が一般的ですが、コストがかかり、かつ日本の場合は輸入に頼らざるを得ない元素の一つです。

ヘリウム(元素記号 He)が活用されている分野

  • ヘリウムと酸素の混合ガスを酸素ボンベとして利用
  • 液体ヘリウムは極低温用の冷却材として
  • 超伝導用の冷却素材
  • 飛行船や風船などを浮揚させるための充填ガス用
ヘリウム(元素記号 He)の特性、物性
分類 非金属元素
電子配置 1s2
英語 Helium
原子量 4.003
同位体 3He、4He、6He
融点 -272.2℃
沸点 -268.93℃
密度 0.09g/l
比重
硬度
色、形状 無色
20℃、1atmでの状態 気体
線膨張率
ヘリウム(元素記号 He)の電気抵抗
700℃
300℃
100℃
0℃
−195℃

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