ナトリウム(元素記号 Na)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

ナトリウムは1族の金属元素で、単体では他の元素と強く反応するため、化合物としての姿を見ることのほうが多い物質です。日々目にするものとしては、食卓に並ぶ塩である「塩化ナトリウム」があります。

栄養学的にはミネラルのひとつで、人の体に適度な量は不可欠ですが、取りすぎると害を及ぼします。昆布に含まれる旨み成分のグルタミン酸ナトリウムも、この元素の化合物です。

また、高級脂肪酸とナトリウムを反応させてできるのが石鹸です。

ナトリウムを単体としてみた場合は、取扱いに注意を要する危険物となります。水と激しく反応して水酸化ナトリウムとなるため、素手で触れることはできません。大気中でも酸化がすすむため、灯油などの鉱物油の中で保存されます。

熱をよく通し(水の約100倍の熱伝導率)、高温化でも気化せずに液体であるため、高速増殖炉の冷却材として使われていました。

ナトリウム(元素記号 Na)が活用されている分野

  • 塩化ナトリウム(食塩)
  • 高速増殖炉の冷却材
  • 石鹸の原料
  • NaS電池(大規模な電力貯蔵が必要な場合の蓄電池)
  • ナトリウムランプ
ナトリウム(元素記号 Na)の特性、物性
分類 金属元素、アルカリ金属
電子配置 3s1
英語 Sodium
原子量 22.99
同位体 23Na、24Na
融点 97.72℃
沸点 883℃
密度 968(0.97g/cm3)
液体密度0.93g/cm3
比重
硬度 モース硬度0.5
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:
293K(20℃):70(0℃〜50℃)
500K:
800K:
ナトリウム(元素記号 Na)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 39.2
300℃ 16.8
100℃ 9.7
0℃ 4.2
−195℃ 0.8
ナトリウム(元素記号 Na)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 60
300℃ 78
100℃ 88
0℃ 142
-100℃ 141

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