鍛造加熱温度の目視による測定
現在は性能のよい高温計や温度計があるため、加熱温度の推測が容易になりましたが、熱している金属そのものの温度が一体どれくらいなのかについては、目視による方法も依然有効です。
昔は砥石などでも乾式加工を行った際に飛び散る火花の色で、鋼材の種類を判定するということを出来る人がいたものですが、目測で鋼材の温度を推測するのもこれに似ているかもしれません。
鍛冶職人が熱した鋼材を叩いている様子を見たことがある人もいるかもしれませんが、このときの火色から凡その加熱温度を推し測ることができます。白色に近いほど温度は高く、明度の低い赤色ほど温度は低くなります。大雑把にいえば、温度が上がっていくと、濃い赤色から、明るい赤色に変わっていき、オレンジ色、明るいオレンジ色と続き、黄色、白っぽい黄色、白色となる順に高温であることがわかります。恒星の色による温度判定と同じ理屈です。
火色 | 温度(℃) |
---|---|
暗赤色 | 566 |
暗桜実色 | 635 |
桜実赤色 | 746 |
淡赤色 | 840 |
橙色 | 899 |
淡橙色 | 941 |
黄色 | 996 |
淡黄色 | 1079 |
白色 | 1205 |
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