鍛造用鋼材、鍛造に使う炭素鋼とは
炭素鋼は、鉄と炭素の合金のことです。鉄は、その中に含まれている炭素の割合によって様々な性質を持つ材料です。一般に、工業材料として使われる「鉄」は鉄鋼のことを示しており、そのどれにも多かれ少なかれ、この炭素の量が影響してきます。例外としては、カーボニル鉄をはじめとする純鉄くらいでしょうか。
さて、合金とは、ある金属に他の金属や元素を混ぜ合わせたもののことですが、この合金は、成分金属の種類や、その配合の割合によって、単一の金属では得られない様々な優れた性質を持つので、ほとんどの金属材料はこの合金の形で使用されているのが実態です。前述の鉄の合金のほか、アルミ合金、チタン合金、銅合金、マグネシウム合金など、素材として使われる金属のほとんどが合金です。したがって、金属を知る、ということは合金の性質を知るということでもあります。
日本工業規格、いわゆるJISでは、鋼材について様々な種類のものを規定しており、鍛造用としてよく使うものは以下の通りです。鍛造された炭素鋼を、炭素鋼鍛鋼品ともいい、通称SF材と呼ばれます。
材料の種類 | 主な用途 |
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s20c | ボルト・ナットなど |
s25c | モータの軸 |
s30c | 小物部品 |
s35c | 棒類、ハンドル |
s40c | 連結棒。継ぎ手 |
s45c | クランク軸、ピン |
s50c | クランク軸、ピン |
s55c | クランク軸、ピン |
材料の種類 | 主な用途 |
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sf340a | 各種鍛造品 |
sf590a | 各種鍛造品 |
材料の種類 | 主な用途 |
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SK1〜SK7 | 各種工具・刃物 |
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