木材の種類

2012年12月24日更新

木材として使われる樹木は、大きく分けると針葉樹と広葉樹の二種類です。代表的なものをあげると、針葉樹としてはスギ、アカマツ、ヒノキなどで、広葉樹としては、ブナ、ケヤキ、ラワン、チークなどです。一般論としては、広葉樹は針葉樹に比べて硬い木材で、硬木とも呼ばれます。反対に針葉樹を軟木と呼ぶこともあります(いずれの樹木にも例外的な樹種があります)。

針葉樹は、長大な材木を得やすいため構造材によく使われます。また木理の関係から、加工もしやすい木材です。

広葉樹は、硬質な性質を活かし、仕上げ材料としてよく使われます。建具や家具、機械部材としても使われます。柾目と板目の硬度差が少ないことでも知られます。樹木のおおよそ4分の3はこの広葉樹といわれています。

木材を使うときにはその樹木がどのような性質を持ったものであるのか、何が木材の性能面に影響するのかを考慮の上、選ぶ必要があります。

木材は樹木の種類だけでなく、使う部位や生育環境などの個体差、含水率によって材質が変化する素材です。このため、他の工業材料のように一律の機械的強度などがあてはめづらいこともあります。

材木の部位や断面、生育環境・磁気による分類

木材の断面部位の種類
柾目面 幹の中心(髄)を通る樹木の縦断面
木口面 丸太の横断面。
板目面 幹の中心から離れた樹木の縦断面
木材の部位の違い
心材 腐りにくい。色調が濃いものが多く、樹液も少ない。
辺材 一つの丸太からより多くとることができるが、心材に比べると乾燥による収縮が大きく、曲がり、反りなどに留意。耐久性には心材に劣り、虫害もおきやすい。
木材の生育時期による分類
早材 樹木のうち、春から初夏にかけてできた部分。春材ともいわれる。
晩材 早材の後の成長期にできた部分。秋材とも。広葉樹の場合、こちらのほうが硬い。

針葉樹と広葉樹の違い

樹木による分類:針葉樹の種類
スギ 建築材料、構造材料。柱、梁、建具など幅広い用途。軟質で軽量、加工性や耐湿性に優れる。
アカマツ 梁、敷居など。樹脂を多く含むため反りが大きい。湿気に強く、生木なら水中で腐らない。
クロマツ アカマツよりは耐湿性に劣る。樹脂が多く、シロアリ等の虫害に侵されやすい。化粧天井板や梁、敷居、垂木などに使われる。
ヒノキ 建築材料、家具、建具用として。高価。加工性に優れ、光沢もよく、よい香りがする。耐湿性にも優れる。ヒノキ風呂などの浴室にも高級木材として使われる。反りも少なく、硬度のバランスが良い。
ヒバ ヒノキに近いが、刺激性の香りがある。耐久性に優れる木材で、土台や柱などに使われる。
ツガ 柱や造作材等に使われる。緻密な組織で硬質、光沢を持つ良材の一つ。
カラマツ 樹脂分が多く、耐湿性に優れる。土台や床材として使われる。
モミ 軟質材で、加工性がよい。収縮や反りが大きい点に注意。建具や箱類、梱包材の木箱にも使われる。
ヒメコマツ モミに似た材質。収縮や反りなどではこちらが優れる。窓枠や建具として。
エゾマツ モミに似るが、硬さではこちらが上。収縮や反りが大きい。耐久性にはやや劣り、建具などに使われる。
サワラ 家具や建具に使われる。水気に強く、耐湿性が高い。軽い。
ベイマツ 大木もあり、構造材料や板材として使われる。樹脂分が多い。
ベイスギ スギに似るがやや強度に劣る。木目には独特な模様があり美しい。大きな材木が得やすい。薄板材などに利用。
ベイヒ ヒバに似ている。刺激性の香りがあり、光沢はあまりない。
ベイツガ 造作材や板材として使われる。
ベイモミ(スプルース) エゾマツに似ている木材とされる。せき板などに使われる。
樹木による分類:広葉樹の種類
ナラ 家具や建具、ベニヤ単板として使われる。歪みやすい。
ケヤキ 反りが小さく、光沢がある。見栄えもよく、家具や建具、彫刻などに使われる。
ブナ 比重が大きく、反りも大きい。縁甲板用途など。
カシ 密度・比重大きく、硬質な材木。敷居の埋がし等に使われる。
カエデ 緻密で木目の美しい木材で、家具やベニヤ単板に使われる。
キリ 非常に軽く、吸湿性や反りが少ない。外観も美しく、桐ダンスに代表されるように家具や装飾用に使われる。
サクラ 緻密で平滑な木材。割れが少ないため加工もしやすい。家具など。
シオジ 粗い外観で反りは小さい。ベニヤ単板や家具、建具に使われる。ナラに似ているが性質はやや落ちる。
セン ナラやシオジに比べて脆い性質。木目は美しく、家具や建具に。
タモ センに似た材質。家具に使われる。
カツラ 家具や彫刻用に使われる材質で、軟質系木材。加工がしやすい。
シナ ベニヤ単板に使われる。緻密。
チーク 加工性がよく、耐久性に優れる木材。木理通直。建具や家具、造船用などに使われる。
ラワン チークに似ている。南洋材。建具や造作材に使われる。虫害に侵される。

木材の用途による分類

用途による木材の分類
建材用 ヒノキ、スギ、ツガ、ヒバ、ベイヒ、サワラ、モミ、カヤ、ラワン、ケヤキなど
建具用 ヒノキ、スギ、ミズナラ、ラワン、エゾマツ、ヒメコマツ、モミ、トウヒなど
家具用 キリ、ケヤキ、クワ、唐木、チーク、クスノキ、カツラ、ハンノキ、クワ、サクラ、クワ、クロガキ、マホガニー、マトア、マカンバ、タモ、センノキ、ラワンなど

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