木材の耐久性
木材を用いる際に重要となるパラメータである耐久性ですが、具体的には以下のものに対する耐久が求められます。
木材の耐久性を下げる要因
虫害
日本では木造家屋が多いため、非常に問題となることが多いシロアリですが、木材によってもシロアリのつき易さが若干異なることがあります。問題となるシロアリはイエシロアリと呼ばれるもので、本来は枯れた針葉樹を好みますが、広葉樹やまだ枯れていない立木を食い散らかすこともあります。
腐朽
金属では腐蝕が問題となりますが、木材の場合は、細胞で構成されている素材のため、カビ状やきのこ状の腐朽菌による寄生を受けると材質の強度を保てなくなります。なお、木材を水中で保管するタイプのものがありますが、これは水中だと逆に腐朽しにくいためにとられている措置です。
風化
他の材料では耐候性に相当するものですが、木材に含まれる樹脂成分がなくなると光沢を失い、脆い材質になっていきます。
防火性
木材は木である以上、燃えないということはありませんが、燃えにくい塗料を塗布したり、難燃性の素材で表面を覆うなどの処理により防火性を高めることが出来ます。
木材の耐久性を向上させる手法、対処法
腐朽や虫害を防ぐための例としては以下のような方法があります。
表面炭化
木材の表面を焼くことで炭化させ、水分を飛ばして外部からの虫や菌の侵入を防ぐ方法です。「炭」には虫がつかず、菌類も生息しないことを利用した保護法です。
表面被覆、表面コーティング
何らかの塗料を木材の表面に塗ったり、貼り付けたりすることで虫や菌が木材内部へ入らないようにする手法です。具体的には、粘土やプラスターなどで表面を覆ってしまう方法、金属板を貼り付ける、ペイントやワニスを塗布する、漆塗りにするなどの手法があります。また、防腐剤などの薬剤を表面に塗布したり、木材内部に注入して組織にまで浸透させる方法もあります。特に水のかかる部位に使われる木材などにはこうした組織内部にまで浸透させる手法も有効です。防腐剤としては、クレオソート油がよく知られています。
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