砥石の再生について

2012年10月24日更新

砥石の再生には二つの意味があります。一つは使っている途中で、まだ十分に使える箇所が残っているのに切れ味が出なくなってしまったので再生が必要な場合。これは目詰まりや目つぶれ、目こぼれといった砥石特有の現象が原因で使えなくなっていることが多いため、「ドレッシング」と呼ばれる方法で砥石の表面を削ります。ドレッシングは目なおし、目立てということもあります。

同じ砥石同士をこすり合わせたり(切れ味が出なくなっている砥石よりも粒度の粗いものでこするとよいです)、ワークの端材などを削ったりして砥石の表面を削って切れ味を取り戻します。

もう一つの意味は、台金や台座のある砥石、多くは工業用の砥石ですが、これらの砥石部分を完全に使えきってしまったので、再利用したいという場合です。電着砥石などで特殊な形状なものはよく再利用して使われることがありますが、普通のダイヤモンドホイール等は台金はただのアルミ合金であることが多いため、使い捨てにした方がコストが安くすむこともあり、あまり再利用、再生の話は出ません。

一方、特殊なシャンク(台金)の形をした電着砥石や電着工具は、砥石の中でも再利用が盛んな分野です。シャンクはs45c(炭素鋼)やSCM(クロモリ)などが使われますが、ここにメッキをつけ、電着によってダイヤモンドやCBNの砥粒を接着します。窯で焼き上げて作る砥石に比べて、使える正味の厚みは薄いですが、ダイヤやCBNが磨耗した際には、この砥層をまるごと剥離して、再電着することができます。条件によっては再電着できないこともあります。また電着はメーカーによっては剥離しにくい処理を施すことがあり、意外に時間がかかることもあります。

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