難削材の特性とは
研削や切削、研磨などの加工を行なう際に立ちはだかる手強い相手となるのがこの「難削材」と総称される素材、材料です。
金属にしても、技術の発達とともに様々な合金が開発され、これらが現在の多くの産業を支えている見えない立役者なのですが、性能の高い素材、言い換えれば技術的に価値の高い物性、性質を持つ材料ほど、加工するときには骨が折れます。
こうした難削材の持つ一般的な特徴としては以下のような点が挙げられます。
- 材料が非常に高い硬度を持つ、強度がつよい
- 材料のねばりが強い(靭性が強い)
- 材料の延びが大きい(展性、延性が大きい)
- 熱伝導率が悪い
- 加工中の熱によって硬化してしまう
- 加工中の熱によって軟化してしまう
- 加工中に切り屑がまとわりつく、溶着する
- 加工中の負荷によって、組織が加工硬化を起こしやすい
こと研削や研磨について言えば、上記のような特性を持つ材料は、砥石の性能が発揮し辛く、異常磨耗や損耗につながったり、目詰まりや目つぶれ、目こぼれなどが多発したり、結果としてドレッシングの回数が異様に増えたり、加工効率の低下を招くことになります。
難削材は仕上げ面の面精度を上げるのも難しい一方、削りにくい材料でもあるため、なかなか削り代も稼げません。
未知の材料に取り組む際に、加工費を通常通りに設定すると、砥石の損耗が激しかったり、目的の表面粗さに仕上げにくかったりといった障害にぶち当たる事もあります。難削材に取り組む際には、適切な工具と加工条件がマッチしないと思うように加工が進まないことを念頭の置いておく必要があります。
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