ベア材の意味とは

2021年8月14日更新

ベア材とは、コーティング処理やクラッド加工といった表面加工を行っていない金属材料のことです。主としてアルミや鉄鋼の分野で使われる用語です。英語ではアルミについてはクラッド材との比較で、Bare Aluminumがベア材、Clad Aluminumがクラッド材と呼ばれます。Bare自体には、そのままの、地肌がむき出しの、裸の、といった意味があります。

アルミ合金の分野ではエアコンの熱交換器用のアルミフィン材で、親水性を付与するコーティングを施した処理材と、処理をしていないベア材とを比較すると、コーティングの有無で結露防止に大きな違いが出ることが知られています。

またこうしたコーティングによる処理のほか、ベア材の表面に別の金属を貼り合わせて用いるクラッド材がありますが、こちらも錆に弱い材質に強い耐食性や犠牲防食の効果を付与したり、もとの材料であるベア材にはない性能を付加する為に使われます。クラッド材は「心材」と呼ばれる材料の両面あるいは片面に「ろう材」を貼り合わせて製造されます。

金属材料の多くはより高付加価値の性能を持つものが開発されてきていますが、材料の成分を変えての新材料開発というのはなかなか難しく、既に存在している材料の表面に何らかの付加価値をつけて上市するというタイプのものも多々あります。コーティングやクラッドはその一方法とも言えます。特にこれらの表面加工の技法は、母材の素材が持つ強みとともに、表面に施す処理によって弱点を補ったり、新たな性能を付与することができるという点に大きな特徴があります。

こうしたメリットの反面、腐食や何らかのダメージ等を負って表面処理が除去されてしまうような事態になるとその効果が発揮されないというデメリットはあります。

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