航空輸送で運ぶものの特徴

2023年7月23日更新

航空輸送で運ぶものは、その高い輸送費に見合った何らかの事情があり、何となくエアー便にするということはまずありません。ここでは航空輸送で運ぶ物品の特徴について述べていきます。

海外品の場合、日本は島国であるため、航空輸送以外では船便しか選択肢がありませんので航空輸送か船による海上輸送かの2択ですが、諸外国の場合、鉄道やトラック輸送も航空輸送との比較対象にはなります。

使用にあたっては、かかる費用はさておき必ず航空輸送でなくてはならないのか、あるいはコストと比較して状況によっては航空輸送を使い分けるという2パターンあります。

緊急性の高いもの

納期が間に合わないことを理由に、普段は船便で送っているものを航空便に変えるケースです。輸送にかかるリードタイムは、船便に比べると格段に速くなります。通関にかかる時間を考慮し、空港までのチャータートラック等も加味しても、出荷場所から1週間程度で目的の場所へ納入可能です。早ければ3〜4日で着荷させることもできます。

このケースは、費用は度外視でとにかく間に合わせる必要がある場合に検討されるパターンです。

重量が軽いもの

船便は重いものを大量に運ぶ場合に廉価になる輸送手段です。したがって、軽くて数箱だけ、というような場合は船便の混載サービスを使用しても、航空輸送のほうが安くつくことがあります。このため、常時取引でエアーを使うという商材もあります。

輸送モードの選択にあたっては、どのくらいの重量・容積までなら航空便のほうが安くなるかという損益分岐点を算出して運用していくのがよいでしょう。

このケースでは速さというよりも価格をもとに選択することになります。

日持ちしないもの

船便は最寄の中国からでも、例えば現地工場を出荷してから日本側の指定場所へ納入されるまでおおむね2週間はかかってしまいます。これがタイなら21日〜、インドなら40数日〜、アメリカなら50数日〜かかります。

鮮度を保つ必要があるものは航空輸送が適しています。航空機にのっている時間は正味1日もなく、陸送や通関にかかる時間を加味しても4日〜1週間で着荷させることができるためです。

医薬品・食品

緊急性を要求されることもあるこれからの物品は、優先的に搭載される慣習もあり、種類にもよりますが、輸送に日数をかけることができない場合は航空輸送が適しています。

また温度を一定にしておくということについても、船便でもリーファーコンテナのような温度管理ができるコンテナに入れて運ぶ方法もありますが、いかんせん日数がかかります。航空輸送はその点、利点があります。ただし多くの航空便では、一定の温度までは管理できても、湿度は管理が難しくコントロールができないことが多いです。湿度の影響を受ける場合は、別種の管理が必要となります。

揺れに耐えられないもの

貿易での輸送手段としては、船便と航空便では揺れ方が違います。ただ貨物への揺れという面で見た場合、航空便のほうが船便に比べれば振動を受ける度合いは少ないといえます。こうした面でも、揺れに対しての耐性が低いものは航空輸送のほうが適しています。

気圧が変化しても支障がないもの

船便とは違い、航空輸送の難点は高額費用だけでなく、この気圧の変化です。気圧変化に弱い製品の輸送には向きません。

危険品として航空搭載不可ではないもの

航空機は危険物の取扱が特に厳しく、船便で運ぶことができても航空機搭載不可という品物は多数あります。そうしたものは費用をかけても航空機で運ぶことができませんが、中に少量であれば運ぶことができる場合もあります。危険物取り扱いに長けたフォワーダに相談するとよいでしょう。

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