アライバルノーティスが届かない場合

2021年8月14日更新

アライバルノーティスとは英語でArrival Notice(略してA/N)と表記し、その意味は輸入者のもとに貨物が届いたことを知らせるための貿易書類のひとつです。この書類がいつ届くのかというと、入港の数日前から直前となります。いわゆる貨物到着案内で、船会社もしくはフォワーダからインボイス上の荷受人(荷物を引き渡す先=コンサイニー)やNotify partyとして指定された貨物到着通知先にFAXで送られてくるのが一般的です。

アライバルノーティスが届かない場合、輸送を依頼しているフォワーダや船会社へ連絡し、書類(FAX)だけが届いていないのか、船が遅延していてそもそも入港していないのか確認することで状況を把握できます。

輸出相手が出荷する際にShipping advice(シッピングアドバイス)と呼ばれる出荷情報がメール等でフォワーダが発行しますが、ここには貨物のインボイスからB/L(waybill)の情報によりどの船名でいつ出航する分に積載するのかがわかりますので、この情報をもとに問い合わせると、状況が分かります。

アライバルノーティスが届かないケースというのは、例えば以下のような場合があります。

  • 単にフォワーダや船社がFAXをし忘れている
  • 荷受人(コンサイニー)とNotify partyが異なる会社になっていて、Notify partyの欄に自社以外の社名・連絡先が入っておりそちらへ届いてしまっている
  • 船が遅延しておりアライバルノーティスを発行できる状態になっていない

この書類が重要となるのは、港への着荷予定を知るということのほか、輸入申告時の関税や消費税を計算する際の「輸送費」のエビデンスとなることも一つの理由です。

輸入時にはこれら費用を入れて申告が必要になりますが、通常はインボイス等でこの費用以外の申告に必要な情報はすでにそろっていることが多く、アライバルノーティス待ちで入手次第、輸入申告に入ることになります。

荷主や荷受人といったメーカー側の貿易担当は、通関業務はフォワーダや通関ブローカーに一任していることがほとんどであり、そうなるとアライバルノーティスを使って特に業務をしないことが多いと思います。メーカー側では輸入許可日がわかれば、あとは港や空港からのドレージ等の陸送便を手配して完了となりますので、搬入先との搬入日と時間調整くらいが業務となります。

会社の事務所にFAXがきても誰にあてたものか何のための書類かよくわからず、人知れず廃棄されるというようなこともあります。これはフォワーダとの折衝業務をロジスティックスや物流部門の子会社等に一任している場合によく起きます。

メーカーであればフォワーダへ一任してしまう業務ではありますが、実際に輸入貨物を受け取るために必要となるD/O(デリバリーオーダーや荷渡指図書とも呼ばれます)は、このアライバルノーティスを発行してきた相手に費用の支払いと、B/L原本を渡すことではじめて入手可能になります(形式上、船会社へ渡すことになります)。D/Oは船が入港する前に入手しておき、輸入申告後に入手可能になる輸入許可書とセットにしてはじめて輸入貨物を受け取ることができるようになります。

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