ケースマークに原産地表示は必要か

2024年5月13日更新

ケースマークには原産地表示(MADE IN JAPANなどの原産国表記)を付けているパターンが多いですが、必須ではありません。通常、1パレットに1枚のケースマークがつきます。また1パレットに原産国が違うものが複数ある場合も、面倒を避けるため省略するケースがあります。例えば、1パレットに60箱で、10箱が中国製、10箱が韓国製、10箱がベトナム製、10箱が日本製、20箱がインド製というような場合、同一パレット内のすべての国名を記載する方法もありますが、誤解を生むこともあります。

ただし、原産国や原産地をケースマークに記載する場合はインボイスやパッキングリストに記載している原産地と差異がある場合、通関時に止められる可能性があります。例えば、日本製とインボイスには記載しているにも関わらず、貨物の現物にはMADE IN CHINAと書いてあるような場合です。

また、出荷する国と異なる原産地を記載する場合に、通関で止められるリスクを避けるために、ケースマークに原産地を記載しないというケースもあります。例えば日本から輸出しているもので、実態としてはインド製のものを再度インドへ輸出するというような場合、税関検査等につながると現地側での輸入通関に時間がかかるためです。

この例で言えば、インド税関からすると、日本から輸出されているものがなぜインド製の表記があるのか?これは中古品ではないのかという疑いが生じ、通関がすんなりいかなくなることがあります。

インボイスやパッキングリストには正しい原産地が記載されているのであれば通関手続き上は問題はありませんが、あまり目立たないようにしたい、ミスを少なくしたいというのであれば、ケースマークへの記載事項を最小限にするという考え方もあります。ただこのケースマークの本来の意図は、パレットごとに張り付けてあるので、間違えて輸送されることを防ぐためと、パッキングリストとの照合を容易にするという意図があります。パレット単位での輸送となるLCLでは、たまたま他社品でまったく同じケースマークがあると、取り違えてしまうリスクもあります。

またコンテナ単位で輸送するFCLであっても、デポでバンニングを行う際、多量の類似パレットを使っていると仕向け地が同じ場合、ケースマークの表記がシンプルすぎると、表記が重複してしまい、取り違えてしまうリスクがあります。

梱包場所やバンニング、デバンニング場所ではパレットを特定できるレベルでの最小限の表記、というのが望ましいです。

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