コンテナの最高温度|海上輸送コンテナの温度はどこまで上がるか

2019年2月10日更新

コンテナの最高温度が輸送中にどれくらい上がるか、あるいは最低温度がどこまで下がるかは時に製品の品質にかかわる重要な要素となります。

コンテナ内の温度推移については、温度データロガーをコンテナの中に設置し、輸送期間中の温度を時系列で記録する方法がとられます。各社のデータでは、コンテナの温度は乱高下することが知られています。

赤道直下を通る航路でも、夜間は22℃前後まで下がったかと思うと日中は70℃近くまで上昇するというサイクルを毎日繰り返すというような過酷な環境となります(コンテナ船のどの部分にコンテナが積載されるかにもよります)。

生鮮品などの温度が死活問題となる輸送品では、リーファーコンテナといった冷蔵機能を有するコンテナが使用され、温度管理も実施されますが、一部工業製品等でも、そこまで厳密な温度管理までは必要ないものの、一定以上、一定以下の温度になった場合や寒暖差が大きい場合等に品質や外観に影響が出てくる製品があります。こうした場合は、使用するコンテナの温度がどのようになるかある程度把握して輸送計画や輸送方法、梱包仕様を検討していくことが肝要です。

たとえば、一定以上の温度になると品質劣化や悪影響を通常のドライコンテナには温度管理する機器がついていませんが、長期にわたる事も多い海上輸送中の温度によっては、製品に何らかの処置を施したり、温度管理ができるリーファーコンテナを使うという選択肢も出てきます。

コンテナの温度
コンテナ最高温度 コンテナ最低温度
船の甲板であるオンデッキで最高温度70℃前後、船倉内であるアンダーデッキの最高温度は60℃前後。 冬場の夜間・日中で天日が当たらない場合は0℃〜氷点下に低下。外気の気候と太陽があたるかどうかに影響を大きく受ける
 

一般に、コンテナの温度については、海上では年較差、日較差による庫内温度変化は小さいが、陸上ではその何れもが大きいといわれます。ただ、赤道直下などやオンデッキといわれるコンテナ船の甲板のポジションに製品の入ったコンテナがおかれた場合は、船倉にあたるアンダーデッキよりも過酷な環境に曝されることになり、温度の上昇、温度差はより大きくなります。

また、陸上では輸送中よりも蔵置中の方が温度変化が大きく、夏季日中に最上段に積載蔵置されたコンテナ庫内の温度は天日の影響を顕著に受け、60-70℃前後を記録する事例も報告されています。

逆に冬場の夜間や日中でも天日の当たらない下段に蔵置された場合には氷点下前後、地域によっては零下まで庫内温度が低下することがあります。

スポンサーリンク

「コンテナの最高温度|海上輸送コンテナの温度はどこまで上がるか」の関連記事

>このページ「コンテナの最高温度|海上輸送コンテナの温度はどこまで上がるか」の先頭へ

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集