買掛と売掛の違い|英語での意味

2023年7月2日更新

買掛(読み方:かいかけ)は「つけ」で買うこと、売掛(読み方:うりかけ)は「つけ」で売ることを意味し、両者は反対の関係にあります。どちらも売ったり買ったりしたが代金をまだ払っていない、受け取っていない取引や金額という違いがあります。

買掛金と売掛金の違い
用語 意味
買掛金 買ったけど支払いはまだしていない分
売掛金 売ったけどまだ代金を受け取っていない分
 

買掛と売掛を英語で表現すると

英語で見ると、売掛金はAccounts receivables(略語:AR)やTrade receivablesとなり、これから受け取ることができる(あるいは受け取るべき)お金であることが分かります。買掛金もAccounts payable(略語:AP)やTrade payableとなり、これから支払う、支払われる予定のお金であることが分かる表記になっています。

ここで使われているreceivables and payablesという英語表現は、「債権(receivables)および債務(payables)」を意味する際に使われます。

売掛は代金を受け取る権利となる債権(receivables)であり、買掛は反対に代金を支払う義務となる債務(payables)となります。

「つけ」での取引が基本

こうした、その場でお金をやり取りせずに行う販売方法は、いわゆる「掛け売り(読み方:かけうり)」や「信用取引」といい、会社同士の取引では圧倒的にこの方法での取引が多くなります。

ただし、「つけ」での売り買いの場合は、どの程度相手を信用していいのか、いくらまでなら「つけ」で売るのかという与信や与信限度額の設定が必要となり、一般に会社ごとに社内の制度で審査してから決めることが多いです。

経営状態や支払い能力に疑問のある取引先に、「つけ」で売ってしまい、帳簿上は売掛金として売上がある形になっていても、その取引先からもし支払いがなく回収不能に陥った場合は、会社にとってダメージとなります。帳簿の上ではこうなると「貸倒損失」として計上することになります。

また、売掛金の消滅時効は5年となっているため、未入金を放置しておくと法的に受け取る権利自体を失います。

与信限度額での管理

「つけ」での売り買いである信用取引には、どの程度の信用を取引相手に対して持つかという「与信」(読み方:よしん)の問題と表裏一体の側面があります。この限度額を、与信限度額として、例えば取引先別に、A社に対しては100万円までは掛け売りOK、B社に対しては、1億円まで掛け売りOKといった設定を行って貸倒損失のリスクを管理することになります。

もっとも、企業間の売買は、取引の回数や金額、特定の相手との取引が多いケースがほとんどとなりますので、毎月、例えば月末に締めて、その月に売った金額を合計して請求書にまとめて販売先へ請求する、という方法が一般的です。少なからず、「つけ」でまわっていることになります。

例えば、ある販売先に対して6月1日から6月30日までに売ったものは、仮にその期間に何百回取引があったとしても、6月30日でいったん〆て、6月1日から6月30日までの販売合計金額を請求明細とともに請求書にまとめて、販売先へ送付、次の月、例えば7月末までに振り込んでもらう、というような取引形態になります。

買掛金と売掛金の仕訳

会計上は、代金を受け取っていなくとも、「売った」「買った」ということを帳簿に記載する必要があります。これは将来受け取る、あるいは支払うことが決まっているお金になります。

売掛金はお金の支払いや返却を請求する権利なので、資産の勘定科目となり、買掛金はお金を支払う義務であるため、負債の勘定科目となります。

買掛金、売掛金を仕訳すると、下表となります。

買掛金、売掛金の仕訳
借方 貸方
売掛金100 売上100
仕入50 買掛金50

双方で売掛金・買掛金が発生するの取引をしている場合には、売掛金・買掛金を相殺して支払うという方法も実務上は行われています。

また売掛金については、その会社の本業によって発生した営業取引について記載するという決まりがあるため、本業以外の取引発生した未収金が増加しているのか、売掛金が増加しているのかによって企業経営の状態を推察することもできます。

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