荷受人と輸入者が異なる場合はどうするか

2015年3月11日更新

荷受人(にうけにん)は、consignee(コンサイニー)とも呼ばれ、一般には荷物の「宛先」に相当する部分に住所や社名が記載されます。荷物の受取人であることが多いですが、必ずしもイコールではありません。一方、輸入者はImporterとも表記されますが、貿易取引においては一般的にその国への輸入に責任を持つ「買い手」となりますが、取引先(買い手、代金の支払者)がimporterではないというケースも存在します。

送り先と、請求先が同じ場合は、consigneeとimporterが同じことになりますので、インボイスには片方だけ記載されることも多く、特になんら問題もないので、自社内の規定に基づいてどちらの表現がよいか決めるだけの話です。

ただし、前述の通り、importerがbuyer(請求先)と異なることがあるため、誤解を避けたい場合、インボイスには「BILL TO:」で請求先を記入し、「SHIP TO:」で送り先を記入するというほうがよいかもしれません。相手の貿易経験によって、importerやconsigneeをどのように解釈するのかに違いが出る可能性があり、状況によっては誤解されることもあり得ます。

一方で、consigneeとimporterという用語と使いたい場合で、荷物は加工先の工場へ直送してほしい、というような場合は、荷受人であるconsigneeと請求先となるimporterは分けて記載する必要があります。荷受人の欄に、SHIP TOと記載し、importerの欄にBILL TOと記載してそれぞれの住所と社名を記入する方法については前述の通りですが、これと同じように両者を書き分ける方法となります。配達先と請求先が異なる場合は、インボイスの表記についてはこのように双方を記載しておく必要があります。

このように荷受人と輸入者を書き分けるケースというのは、輸入者や輸出者と異なる国へ納入してほしいというような三国間貿易と呼ばれる形の貿易の際にも使います。

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