トラックに積載可能なパレット枚数

2016年8月23日更新

トラックに何枚のパレットが積載可能かどうかは物流コストに大きく影響する要素で、これはそのまま製品単価にも反映されることになります。トラック1台の輸送料金に対して、1台に何個の製品がのるかによって単価が変わってくる理屈です。これは貿易で海外から輸入した場合でも、国内取引であっても、日本の国内をトラック輸送する過程がある以上、共通する事柄になります。

このため、トラックの輸送賃とともに、どれくらいの積載量が可能なのかあらかじめ物量とともに試算しておく必要があります。

パレットと一口に言っても、樹脂パレット、木パレット、鉄箱など様々なものがあります。トラックへの積載を考える際には、実態とあった寸法と重量で計算する必要がありますが、パレットサイズがよくわからないような場合、一般的に使われることの多い1100mm x 1100mmのパレットでどれくらい積載可能かを見ていくことが多いです。この1100mm四方のパレットは、通称、イチイチパレットととも呼ばれます。小さなパレットとしては、900mm x 1100mmのビールパレットと呼ばれるパレットもあります。

パレットのトラック積載枚数を検討する際に必要な情報

パレット寸法のバリエーション

パレットにはおおむね以下のような寸法が流通しています。

  • 1100mm × 800mm
  • 1100mm × 900mm (ビールパレット)
  • 1100mm ×1100mm (イチイチパレット)
  • 1300mm ×1100mm
  • 1400mm ×1100mm
  • 1200mm × 800mm
  • 1200mm ×1100mm

難しいのは、今日日はパレットの寸法と重量が多様化しているだけでなく、トラックも同じ4t車でもサイズが多様化している点です。自社のトラックであれ、運送会社のトラックであれ、使うことになるトラックの種類は、あらかじめ特定しておき、そこにどれくらいの荷物が載せられるのか事前に当事者に確認しておく必要があります。

そのトラックに、自社が取り扱うパレットがどれくらい載るのかは、パレットの大きさと、重さ、トラック荷台の大きさと積載上限によって決まります。

トラックの荷台の種類

また、トラックはサイズ(積載重量)のほかに、荷台のタイプによって、大きくは3つに分けることができます。これ以外にも荷台の種類はありますが、冷凍・冷蔵が不要な一般的な製品の輸送に使われる汎用的なものとしては、以下の3つか、その派生系になります。

パレット単位での輸送で見られる主なトラックの種類
平ボディ車 軽トラックの荷台をイメージするとわかりやすいかもしれません。荷台はフラットで、あおりと呼ばれる低い柵がついているほかは、荷台を覆うものはついていません。荷物の積み降ろしは比較的楽で、形状の特殊なものでも積み込みが可能です。反面、雨濡れに弱いものや固定が難しい貨物にはあまり向きません。また、荷台がオープンになっているので、盗難などにも注意が必要です。
箱車 布で覆われたタイプは「ほろ車」とも言われます。箱車(はこしゃ)は荷台がアルミ金属製の箱形状になっている、いわゆる普通のトラックです。ただ、この箱車は、荷台の開閉ができるのは、後部からのみというケースが多く、フォークリフトを使って行うパレット単位での積み込みにはあまり向きません。人力で積み込める家具やダンボール箱に入った貨物などでよく使われます。雨を防ぐことができますが、荷台がアルミ製とはいえ、重量がありますので、この箱の分、積載重量が低くなります。
ウィング車 パレット単位でのトラック輸送で主流となっているのがこのタイプです。トラックの後ろから見た際、鳥が左右に翼をひらいたように、荷台がカパっと開きます。このため、フォークリフトを使って、左右のどちらからでも効率的にパレットを積みおろしすることができます。ただ、この開閉させるための機構が荷台に備わっているため、重量が上記の2タイプに比べると重いものがあります。荷台そのものの重さは、積載重量がそのまま減ることを意味しますので、若干のデメリットともいえますが、実務の上では、大量のパレット輸送ではこのタイプ以外ほとんど難しくなります。というのも、積み下ろしにかけることができる時間が決まっていることも多く、フォークリフトでの迅速な積み下ろしが不可欠な状況はわりと多いといえます。

トラックのサイズ

輸送に使われるトラックにはそれぞれ積載重量が定められていますが、まったく同じサイズのトラックでも積載重量が違うことがあります。このため、パレットの積み込みを検討する場合、「重さ」(=トラック積載重量)と「容積」(=トラックの荷台サイズ)の両方を見る必要があります。

トラックのサイズ
トラックの種類 サイズ
2tショートボディ 全長約4700mm x 全幅1700mm x 全高2000mm〜3000mm

車種例:日野デュトロカーゴ 標準
全長4685 x 全幅1695
荷台内長3115 x 荷台内幅1615

三菱キャンター ドライバン 標準(標準キャブ)
1.95t, 2t, 3t
3100 x 1780 x 1845
開口寸法 幅1765x 高さ1780
2tロングボディ 全長約6000mm x 全幅1900mm x 全高2000mm〜3000mm

車種例:日野デュトロカーゴ セミロング
標準 全長5195 x 全幅1695
荷台内長3575 x 荷台内幅1615

三菱キャンター ウィングバン ロング(ワイドキャブ)2t, 3t
6310 x 2220 x 3020:2t車 (3050:3t車)
荷箱内寸 4300 x 2085 x 1950
2tワイドロング 全長約6000mm x 全幅2100mm x 全高2000mm〜3000mm

車種例:日野デュトロカーゴ ロング
標準 全長5985 x 全幅1885
荷台内長4355 x 荷台内幅1790

三菱キャンター ウィングバン 超ロング(ワイドキャブ)2t, 3t
7030 x 2220 x 3020:2t車 (3050:3t車)
荷箱内寸 5020 x 2085 x 1950
4t標準 7600 x 2200(ワイド:2350)

車種例:日野レンジャー ウィングバン 標準幅 全長8360 x 全幅2315 x 全高3530 内寸長6270 x 荷台内幅2230 x 開口高2330 車種例:日野レンジャー ウィングバン ワイドキャブ 全長8360 x 全幅2495 x 全高3530 荷台内長6270 x 荷台内幅2410 x 開口高2330
4tロング 8600 x 2200(ワイド:2350)

車種例:三菱ファイター LIMITED WING(8t車)
全長8585 x 全幅2495 x 全高3505
荷台6230 x 2390 x 2405
4tスーパーロング 9600 x 2200(ワイド:2350)
25t車 日野プロフィア ハイルーフ 全長11990 x 全幅2490 x 全高3460 荷台9600 x 2390
イチイチパレットの場合

パレットの積載枚数

トラックの荷台に、二列でパレットを載せることができるかどうか(抱き合わせが可能か)によって、パレットの枚数は大きく変わります。またパレットの高さが低く、トラック内で二段積みできる場合は、さらに積載枚数が倍になります。

パレットの積載限度(抱き合わせ可能な場合で平積み)
車格 積載可能なパレット枚数
1t車(通常抱き合わせ不可の前提) 1パレットから2パレット
2t車 4パレット(超ロング)、3パレット(ロング)
4t車 10パレット(ロング)
10t車 16パレット(荷台長9560mm、荷台幅2410mm、荷台高2360mmとして。2列x8=16)
13t車 16パレット(荷台長9560mm、荷台幅2410mm、荷台高2360mmとして。2列x8=1)
15t車 16パレット(荷台長9560mm、荷台幅2410mm、荷台高2360mmとして。2列x8=1)
19t車、20t車、25車(トレーラー) 24パレット(荷台長13565mm、荷台幅2400mm、荷台高2330mmとして。2列x12=24)

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