中国税関におけるホワイトリストとは何か

2018年12月3日更新

中国税関で稀にホワイトリストの登録がないので中国からの輸出を認めないとの指摘を受けることがあります。

中国は世界各国企業の製造拠点もあり、多種多様な製品を製造している国ですが、正規のOEMやブランド・ロゴの使用許諾を得てないにもかかわらず、いわゆる「にせのブランド」で製造したものを海外へ輸出する企業もあります。このため、模倣品の拡散に関しての対策が求められていました。税関は輸出時に物品を検査することができますので、ライセンス・権利を持っていないものが各社ブランドの模倣品を中国から海外へ輸出しないよう、水際で止めるために作られた制度が、ホワイトリスト登録制度です。

これは、ブランド名、ロゴの権利を持った企業等がwebベースでの申請によって、あらかじめ中国税関に「ホワイトリスト」登録を行います。このリストでは製品名と、ロゴやブランド名称、中国で製造する企業名、輸出入を行う商社や運送会社、中国で輸出に使用する港・空港、出荷先会社名をあらかじめ登録しておきます。このホワイトリストに登録されている企業、製品であれば、税関での輸出検査の際、特定のブランド、ロゴなどが表示された製品が見つかったとしても問題なく通関できます。

輸出時の税関での検査というのは、現実的にはすべての物品はできませんので、抜き打ちで実施されますが、その際に製品にロゴや商標、固有のマークなどがつけられている場合、税関側でそれが正規の許諾を得たものかどうかを確認します。ホワイトリストはその際に使われます。

仮にホワイトリストがない場合は、ロゴやブランド名の権利を持っている企業等からLetter of confirmationといった使用を許諾する旨を記載したレターを税関に差し入れることで通関可能になることもあります。

企業や担当にもよりますが、ホワイトリストの登録がなく、税関へ差し入れるレターもない場合、一度目は注意があり、そのときは通関できる場合もありますが、次回以降はホワイトリストへの登録なしでは通関できなくなります。

以前は、ロゴマークの登録ができませんでしたが、現在は商標などに使われるマーク自体の登録もできます。

日本企業の場合、自社のブランドで中国の製造会社へ製造委託しているというシンプルな取引関係だけでなく、日本企業側の顧客へ納品する製品を中国の製造子会社に作らせ、その製品には顧客やさらにその先の顧客のロゴが製品に入るものもあります。こうしたものも、ホワイトリスト登録がないと原則輸出はできなくなりますので留意が必要です。

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