員数不足とは
員数(読み方:いんずう)とは、個数のことを意味しています。人の数についても言うことがあります。製造業で員数不足といった場合、決められた数量が納入箱に入っていないことや、定められた数に不足していることを言います。員数過多はこの逆で、決められた数量より物品が多く入っていたことです。納入クレームの事象のひとつです。発生すると「なぜなぜ分析」等を用いて、なぜ員数不足が発生したのか真因をつきとめ、再発を防止する策を講じる必要が出てきます。
自動車部品メーカーからカーメーカーに対しては、日々大量の部品が多回納入されていますが、その多くは通い箱と呼ばれるリターナブルの箱にあらかじめ梱包仕様にて設定された荷姿で定められた個数が入っています。1箱あたりに入っている製品個数を入り数と呼んだりもしますが、この入り数は補給品でもない限り、通常はいったん設定されたものが固定で使い続けられます。
例えば1箱12個入りとしたら、注文も1箱12個単位で入り、出荷も1箱に12個入れて出荷することになります。
員数不足とは、このときに1箱に11個や10個等、12個に満たない数しか箱に入っていないことを指します。納入先からすれば迷惑以外の何物でもなく、特に大量の物品が行きかう現場では、様々な支障が出てきます。
これが発生すると物流品質上のクレームとなりますが、実務では不足した個数を急ぎ客先の工場へ届ける動きをとります。チャーター便や特便と呼ばれるものを使って定期便以外で挽回納入する方法が一般的です。
この事象が発生すると、再発防止策を提示する必要が出てきます。注文するほうとしても、車の製造に必要な数しか注文しないわけですから、員数が足りなければ必要数が揃いません。また、検収も納品書単位、箱単位で実施するので、員数不足の場合は入っていなかった分の個数まで支払うことになってしまいます。
員数不足の発生要因にはパターンもありますが、まずはどこで発生したかを突き止める必要があります。もっともそれが分かれば苦労はせず、ほとんどの員数不足はどこで起きたのかはっきりとはわかりません。例外的に要所要所で重量や数の記録を残している場合、発見されることもありますが多くは各現場で自分たちはきちんとやっていた、と主張することが通例です。
一般に、製造工場で作られ箱に入れられたものは、その箱に入った状態で現品票等が客先のものに差し替えられ、デポ等の倉庫に輸送され、そこから客先の指定工場に納品されます。この前提に立つと、発生個所は工場で荷物が集荷されるまでに発生したのか、客先に納入されるまでの輸送中に発生したのか大きくは2つに分かれてきます。
工場内で発生 | 輸送中に発生 |
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工場がストア等の出荷場においた段階ですでに数が不足していた | 工場は間違いなく員数保証できる体制で行っており、工場から客先へ納入する段階で数が不足していた |
工場のどの工程で発生したかを調査。発生時に作業手順があり、その通りに実施していたか、実施していたなら作業手順が員数不足を防ぐ仕組みを持っているか。出荷時に員数の保証ができ、履歴も残す仕組みを構築。 | どの輸送工程で発生したか、箱から飛び出したりしていないか。箱から落ちてしまった要因に対して(不明な場合、消去法でもっとも確率の高そうな要因)、再発防止策を立案する。 |
なぜなぜ分析の真因としては、ミスを犯した担当者の資質というようなことではなく、それが起きた原因に対し、員数不足が生じる仕組みや仕事の手順に何らかの欠陥があったということを示し、その対策を提示していく必要があります。
手順があっても担当者がそれを実施しなかった場合でも、担当が知らなかった、あるいはやらないでよいと思った教育システムの改善等に結び付けていきます。
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