計変とは|客先計変による内示調整

2016年3月15日更新

自動車部品業界で使われる場合、客先計変などの形で使われることもあります。計変とは、いわゆる「計画変更」のことです。主として生産管理分野の用語になります。通常、自動車部品は確定の注文のほかに、3か月分の内示が客先から出る仕組みになっており、部品メーカーはそれにあわせて構成部品や材料の調達を計画します。当月確定(注文)、内示、内々示をあわせて三発内示と呼んだりもします。

この三発内示は、往々にして(カーメーカーにもよりますが)、変更の憂き目にあうことが多く、そうなると部品供給ができなくなる欠品や、逆に内示が大幅に減少すると在庫過多の形で部品メーカーがそれらを持つことになります。欠品は客先のラインを止めることになるため、どの部品メーカーもこれが起きないよう死守しますが、だからといって在庫を減らしてラインが止まった、等となった場合、数万点の部品が使われる自動車のラインが数時間止まるだけで信じられないような損害金額が発生します。

この三発内示を変更する際の理由としてよく使われるのが「計変」です。設計変更と紛らわしいですが、設計変更のほうは自動車業界全般では「設変」(せっぺん)と略されています。

自動車の生産は、基本的には計画生産になりますが、最大手のトヨタ殿のジャストインタイムを見ればわかるとおり、余分な在庫は一切持たないのが原則としてあります(メーカーにもよりますが、在庫が増えればそれだけ会社で使えるキャッシュが減るということで、どの分野でも欠品させることなく在庫を低減させる努力は続けられているかと思います)。

一方で、こうした自動車メーカーへ納入する部品メーカーのほうは、在庫を持たないというわけにはいかず(極力持たないところもありますが)、材料を確保し、構成部品などをある程度前もって準備しておく必要があり、この内示制度が使われています。内示はEDIなどの電子ネットワークを通じてやり取りされることが多いですが、需要に応じて供給(製造)サイドも変動するため、月に数回変更がかかることもあります。

計変によって客先である自動車メーカーは、実際の自動車の売れ行きや先行きに調整し、売れないものは作らないという形をとっています。

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