工程変更とは何か|自動車部品業界における工程変更申請が必要なケース
工程変更は英語ではprocess changeと訳され、日本語では工変(こうへん)という省略形でもよく使われます。工程変更の示す範囲は広く、一般に考えられている製造上の工程が変わる際だけでなく、流通ルートの変更、使用している物流倉庫が変更、部材の調達先の変更、商流が変更なども工程変更に該当しま。す製品自体の中身がまったく変わらなくとも、コスト削減のために、一部の部材の調達先を変更するといった内容も工変に該当します。このため、自動車部品の業界では納入する部品に何か変更があれば工程変更申請書を社内で通し、内容に応じて顧客の工程変更承認を得ることになります。自社製品に何らかの変更を予定していたにもかかわらず、客先の工程変更の承認が得られておらず、大騒ぎになる、というようなこともあります。
基本的に納入している自社製品に設計変更以外の何かの変更を加える場合(設計を変える場合は、設計変更となります)は、事前に工程変更申請を行い、客先となる自動車メーカー側で承認を得る必要がありますが、内容によって客先承認が必要なケースとそうではないケースとに分かれます。
また承認ではなく、届出という形をとることもあり、この場合も客先への届出が必要な場合と、自社内のみで管理すればよい場合とがあります。
製造業においては、自動車分野に限らず、全く同じ材料、同じ製法を用いていても、製造場所が変わるだけで品質に影響する場合があることはよく知られています。また製法は変わらずとも、材料メーカーが変わる場合も同様です。こうした変更に際しては、あらかじめ客先の承認が必要とされ、無断で変えることはできません。自動車メーカー側からはこうした部分にまで踏み込むことで、品質の管理を徹底しています。このため、仕入先が変わるような場合、例えば、2次請け、3次請けといったサプライヤーが変わる場合でも、工程変更に該当します。
工程変更が必要なケース
工程変更申請が必要な代表的な例を列挙してみます。
- 暫定工程から本工程(量産ラインでの製造工程)へ移行する
- 本工程から暫定工程へ移行する
- 工程順序を変更
- 工程の追加、工程の削除
- 製造場所の変更
- 材料メーカーの変更
- 金型・治工具の変更
- 機械設備の変更
- 作業方法の変更
- 加工条件の変更
- レイアウトの変更(工場内での設備配置)
- 検査方法の変更
- 仕入先の変更
- 物流ルートの変更、倉庫や利用デポの変更
- 商流の変更
工程変更に関係する英語表現
日本語 | 英語 |
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工程変更申請 | process change application, process change notification |
工程変更通知 | process change notification |
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