トラックにおけるLD、MD、HDと何か

2023年3月19日更新

トラックは国によって車両分類の方法が異なりますが、アメリカではLD、MD、HDの3分類に対して、Class 1から8が割り当てられています。Class1から2がLight duty (LD) 、Class3から6がMedium duty (MD)、Class7から8がHeavy duty (HD)という分類になります。Dutyは負荷や業務、用途といった意味合いで使われる用語です。

この分類方法は、GVWR(定格車両総重量)によるもので、空車の重量に加えて、積載品の最大重量、オイルや燃料(満タン)、乗車定員分の重量とオプション品全重量(牽引トレーラーのヒッチ重量)を足したものです。

GVWRは、車両の最大安全重量として使われる指標ですが、米国ではこの値によって規制内容も異なってきます。便宜上、GVW(車両総重量)と置き換えても差し支えないと思います。

国内でもトラックメーカーの有価証券報告書や市場シェア等の調査報告ではこの分類方法が使われることがあります。

下表に米国とアメリカとでGVWR(定格車両総重量)で分類した場合の違いをまとめてみます。

LD、MD、HDの違い
アメリカ 日本 車両重量(ポンド) 車両重量(トン) 車両クラス
LD 軽小型 6000 lbs未満 2.7 t未満 Class 1
小型 6001から10000 lbs 2.7から4.5t Class 2
MD 中型S 10001から14000 lbs 4.5〜6.4t Class 3
14001から16000 lbs 6.4〜7.3t Class 4
16001から19500 lbs 7.3〜8.8t Class 5
中型L 19501から26000 lbs 8.8〜11.8t Class 6
HD 大型/特殊 26001から33000 lbs 11.8〜15t Class 7
33001 lbsを超える 15tを超える Class 8

LDに入るものだと、軽トラックやピックアップトラックといったもので、商用の大型トラックはここには入ってきません。日本でいう軽小型の分類であれば、乗用車が該当することになります。また、小型の分類でも、ミニバンやバン、ピックアップトラックまでです。

4.5tを超えてくるといわゆる商用のトラックらしい車種が入ってきます。

日本での大型トラックでの代表格でもある10トントラックとは、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上のトラックを指すことが多く、そうなると中にはMDとHDが混在するということになります。

国が違えば分類も異なりますが、口語で使われる小型、中型、大型という分類も正式な分類法とイメージとでは違うものを指すことがあるという典型例ともいえるかもしれません。

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