PS、HP、kWの違い
馬力を示す単位には主にPS(Pferde Starke:ドイツ語)とHP(Horse Power:英語)の二つがあり、PSは仏馬力、HPは英馬力と表記され、両者は単位系が違います。PSはメートル法に基づくもので、HPはヤード・ポンド法に基づくものです。1PS=1HPとはならず、HP(英馬力)>PS(仏馬力)となります。換算すると、1仏馬力 (PS) = 約 0.98632英馬力 (HP) あるいは1英馬力 (HP)=1.01387仏馬力 (PS)となります。 となります。
PS、HPとkWの換算式としては以下の通りとなります。
1 PS(仏馬力)=735.5 W(ワット)=0.7355 kW |
1 HP(英馬力)=約745.700 Wワット=0.74569987158227022 kW |
1英馬力 (HP)=1.01387仏馬力 (PS) |
1仏馬力 (PS) = 約 0.98632英馬力 (HP) |
仏馬力というのはメートル法発祥の地がフランスというだけで、この馬力の単位がフランスで使われているからというわけではありません。米国やイギリスではHPが主流ですが、それ以外のメートル法採用している国ではPSが主流です。
日本では、自動車の出力を表わす単位としてはPSやkWの併記が多いですが、これは仕事率の国際単位系としては馬力ではなく、W(ワット)で表記することになっているにもかかわらず、ほとんど浸透しておらず、未だに「馬力」でエンジン出力を評価・比較する慣習とも関係があります。米国やイギリスの自動車メーカーの場合、馬力は馬力でもPSではなくHPを使用する傾向があります。
自動車でのエンジンの仕事量を示す馬力は以下の計算式で導き出されます。
- 馬力=トルク×回転数×係数
もともと日本では、1馬力は75キロのものを1秒1メートル持ち上げる能力と定義されていましたが、1999年施行の新計量法によって、日本でのこの定義は廃止されました。新計量法でのSI単位系は、仕事率はワットでの表記となるので、馬力はそもそも使わないことになるはずが、あまりにも馬力表記が浸透しているので、PS(仏馬力)のみを暫定的に仕事率の単位として採用することとなり、それがいまだに続いているというのが現状です。
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