主要諸元表とは何か
主要諸元表(読み方:しゅようしょげんひょう)とは自動車や車両にかかわる分野で使われる場合、その車の主な性能をまとめた仕様書(スペック表)のことを意味しています。英語では単にspecificationsあるいはtechnical dataといいますが、日本の諸元表に相当する場合、specification tableということもあります。主要諸元の入手方法は各自動車メーカーのホームページからダウンロードできます。
特に車を購入する消費者が比較検討を行うことを主眼にしているため、主だったスペックを掲載した一覧表になっています。カタログにもその車種の詳細な特徴やセールスポイントは記載されていますが、具体的に数値で比較したい場合や、データを確認したいという場合に重宝します。新車を購入する場合、販売中の車はすべて主要諸元が公開されています。
項目としては以下の内容が記載されることが一般的で、自動車の販売においてはカタログの巻末などに記載されていることもあります。
主要諸元表の記載項目例
車両型式・駆動方式・重量・性能
- 車両型式(車型)
- 駆動方式
- 車両重量
- 総重量
- 燃料消費率
- 最小回転半径
寸法・定員
- 全長×全幅×全高
- ホイールベース
- トレッド(フロント、リヤ)
- 最低地上高
- 室内長×室内幅×室内高
- 乗車定員
エンジン
- 型式
- 種類
- 内径×行程
- 総排気量
- 最高出力
- 最大トルク
- 燃料供給装置
- 燃料タンク容量
- 使用燃料
走行装置
- サスペンション(フロント/リヤ)
- ブレーキ(フロント/リヤ)
トランスミッション・変速比・減速比
- トランスミッション
- 前進
- 後退
- 減速比
- タイヤサイズ
諸元表の意味|何のためのものか
諸元表とはあまり聞きなれない用語ですが、これはもともと自動車の販売は国土交通省の認可が必要なことと関係しています。
道路運送車両法の第75条第1項にある「国土交通大臣は、自動車の安全性の増進及び自動車による公害の防止その他の環境の保全を図るため、申請により、自動車をその型式について指定する」という法令に依拠しています。たしかに、安全性の基準や環境負荷に対する基準も、作り手が好きに決めてしまっていたのではムラが出てしまい、混乱をきたします。
自動車としての認可・認定を受けるためには、「自動車の型式認証制度」に基づいて、国土交通省に届出を行い審査が必要となりますが、その際に提出する申請書のなかにその自動車の仕様を記載した詳細な「諸元表」が含まれています。
これは車の性能だけでなく構造や使用されている装置にいたるまで、「諸元表記載要領」に基づいて記入することが求められます。なお、この型式認証には、型式指定制度と新型届出制度の二つがあります。前者は主に乗用車、後者は大型バスやトラック等を想定した制度になります。
参考までに以下が提出用の諸元表となります。御覧の通り、項目が非常に多く専門的であるため、これをそのままカタログに載せても消費者は判断に困ってしまいますので、主だったスペックのみピックアップしてまとめたものが主要諸元表となります。
諸元表の項目一覧
主要諸元表のもとになっている「諸元表」のほうは、消費者が購入判断に使用することが目的ではなく、国が審査するためのものであるため項目が細かく詳細になっています。第1号様式、第2号様式の1、第2号様式の2、第3号様式の4種があり、乗車定員10人以下の乗用車の場合、第1号様式と第3号様式を提出、そのほかの自動車で2軸車については第2号様式の1と第3号様式を提出、それ以外については、第2号様式の2と第3号様式を提出することになっています。いずれの車種についても、2種は提出が必要ということになります。
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