集購材とは

2015年3月5日更新

集中購買によって購入される材料のことを一般に集購材と呼びますが、自動車業界で使われる場合、多くの場合、トヨタ集購のことを意味しています。鉄鋼材の集中購買を意味することが多い用語です。集中購買の原理としては、各工場でばらばらに購入する分散購買とは反対に、本社一括で大量購入することで、材料を安く仕入れるというものです。これをさらに拡大すると、大元の自動車メーカーが一括で購入し、自動車部品メーカーに有償で支給、結果として個々の部品メーカーが自分たちで調達するよりも安いコストに抑えることができ、原価低減になる、という仕組みです。

部品を製造する自動車部品メーカーの多くは、原価構成までも自動車メーカー側に提示するのが一般的であり、自動車メーカーとしてはコストを下げるために様々な策を講じており、この集購もその一つです。特に鉄鋼材料など、自動車メーカーが大量に購入するような材料の場合には、有償支給し、余った鋼材の端材などもスクラップした場合のコストとして試算され、部品を構成する「原材料」のコストを徹底的に落としていくことになります。支給されている鋼材に、マージン等を乗せることはほぼ不可能なため、正味の原価をどれだけ削っていくかということになります。

トヨタの場合、鋼材を有償ベースで下請けや部品メーカーへ供給しますが、これをトヨタ集購と呼びます。トヨタが大手の鋼材メーカーと交渉して値段を決める方式であり、大量購入が前提となるため、個々のメーカーや工場が個別に調達するよりも、鋼材が安く入ることから活用されています。集中購買先を集めた集購連絡会という集まりもあります。

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