自動車業界の特設とは何か
特設(読み方:とくせつ)とは特別仕様設定を略した用語で、自動車業界やその部品業界で使われる場合、オリジナルの仕様書にない設定を付け加えることの総称として使われます。
自動車メーカーや使われるシーンによって意味が異なりますが、例えば特定の車種の特別仕様そのものを指していることもあれば、通常の工程変更などでは対応できないカテゴリーの内容を反映させるため、特設品番として設定して現行品と区別し特別管理するといった目的に使われることもあります。
自動車は重要保安部品に限らず、品質の問題で事故等を引き起こせば命に関わります。このため、部品一つとっても、厳密な管理がなされており、材料や製法を変えず図面通りのものを作って供給できるか言っても勝手に生産工場を変えることはできません。コロナウィルスで発生した各国のロックダウンの影響で海外調達の部品供給にも影響が出ましたが、こうした場合、部品メーカーの中の別工場で生産してバックアップするということも行われました。緊急の工程変更申請を部品メーカーが行い、自動車メーカーがそれを承認することで別工場での生産が可能になりますが、仕様がまったく同じではなかったり、特別管理が必要な事由が存在する場合、工場違いで生産した部品に特設品番をつけて管理するということも発生しており、こうした使い方をされることもあります。
ルールが厳密に制定されそれがしっかり守られる社風であるとこうしたバックアップ一つとっても対応するためのルールをどこかから持ってきて矛盾が起きないよう運用されるという実例です。
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