横展とは|横展開、よこてんとは

2014年4月22日 2024年2月18日更新

横展(読み方:よこてん)とは、もともとはトヨタ用語である部署や工場等で決まった内容や適用した改善事例を隣の部署等、直接の指揮系統に入っていない組織にも水平方向(横方向)に伝えていき、事実の共有や手法の共有をはかっていくことで、社内のナレッジ・ノウハウとしていく考え方の一つです。

通常、組織は上からピラミッド構造をしていますので、企業統治がしっかりなされた組織であれば上から下へはスムーズに伝達事項が流れていきますが、横方向には公式なルートでこうした情報が流れる道筋はありません。

この横展開の考え方は、同列、並列関係にある組織・部署・工場等が協力していく仕組みの一つで、よいものは会社全体で共有し成果につなげていこうとする姿勢に裏打ちされた考え方、制度ともいえます。

現在はトヨタ以外の会社でもよく使われる用語として一般名詞化しつつあります。

「よこてんはどうする?」「よこてんを進めて」といった表現方法で、会社にとってよい事例を今適用しているところ以外にも広めていくことの意味でも使われます。

各会社組織の風土にもよりますが、ある部署や部門で作り出した仕組みをよこてんして共有化するには、もともと共有することに価値がある、出したほうも受けたほうも組織の中でプラスの作用する、評価されるといった土台が必要です。うまく作用すると、発案者にとっては成果が何倍にも膨れ上がり、業務に対する貢献度も上がります。

ただ新しい仕組みを横展するにしても、紹介する部署が導入にあたって多大な工数がかかったり、使ってみたがうまくいかなかったことの責任を追及されるような風土だと基本広まりません。受ける側が積極的に導入にあたって動きつつ、そのアイデアを出すほうもどこかでうまく共有する必要があるため、こうした改善事例を仲介する中立な立ち位置の組織があったほうがうまくいくという考え方もあります。

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