非磁性鋼とは
通常の鉄鋼材料は磁石につく、いわゆる磁性のあるものとなりますが、中には非磁性の鋼材もあります。磁性の有無は金属の組織と関連があり、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金などが代表的な非磁性鋼として知られます。
なお同じ金属でも、鉄鋼ではなく、アルミ、銅などの金属は基本的に非磁性材料となります。
物性上、数値で見る場合は非磁性鋼は一般に透磁率が1.02以下のものを指します。磁界への影響をさける必要のある部材に使われる際の目安とされます。
また非磁性鋼として部材を用いる検討を行う場合、その材料がどのような状況で透磁率が変化するのかも考慮していく必要があります。例えば、圧力・衝撃・温度などを受けることで金属組織が変化し、磁性をもつようになるのかどうかといった点です。加工時にかかる力によって金属組織が硬化する現象である「加工硬化」によっても、材料によっては磁性が変化します。
非磁性鋼はリニアモーターカー、核融合設備に使用されていることでも知られます。
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