鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレスの電気抵抗

2013年1月2日更新

ステンレスや炭素鋼、純鉄、鋳鉄、工具鋼などの電気抵抗は、成分のうち、炭素量の多さと合金元素の含有量の多いものほど大きくなっていきます。他の金属系材料と同様に、純粋な単体の金属成分で構成されているものほど、小さな抵抗となります。また鉄鋼の場合は、熱処理の種類や焼入れの内容によっても異なる値を示すことが知られています。

鉄鋼系の電気抵抗は温度の上昇とともに増加しますが、合金鋼については温度による変化はわずかとなっています。金属組織も値に影響することが知られており、パーライト組織(層状)を持つもののほうが、ソルバイト組織(粒状)のものよりも大きな値を持ちます。

鉄鋼材料の電気抵抗
鉄鋼材料の種類 電気抵抗(μΩ・cm)
純鉄 9.7
炭素鋼(Cが0.1%:S10C相当) 14.2
炭素鋼(Cが0.2%:S20C相当) 16.9
炭素鋼(Cが0.4%:S40C相当) 17.1
工具鋼(Cが0.8%:SK材に相当) 18.0
合金工具鋼(Cが1.2%) 19.6
ニッケル合金鋼(Niが3%、ニッケルクロム鋼、SNC815など) 28.9
SCr4(クロム鋼) 21.0
ステンレス(Crが13%) 50.6
ステンレス(18-8ステンレス、SUS304に相当。オーステナイト系、Crが18%、Niが8%) 72
SKH2(高速度鋼、ハイス鋼) 41.9
マンガン鋼(Mnが13%) 68.3
FC、鋳鉄 75〜210

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