熱可塑性エラストマーの新旧の記号、略号の対照表

2013年3月3日更新

熱可塑性エラストマー、TPEは様々な種類の材料が開発されてきましたが、そのたびに新たな記号が付与され、それが市販されていることから、実際には同じ素材の材料が違う記号で呼ばれているケースも珍しくありません。

このため、他の金属材料のようにJIS記号がそのまま使われていないことも多く、実際には、どの系統の熱可塑性エラストマーなのか、実際の製品名(商標)で呼ばれることのほうが多いのが実情です。

こうした事情のため、検討の際には記号だけでなく、TPEを構成するハードセグメントとソフトセグメントのほか、実際の物性を確認して同定することが肝要となります。メーカーからカタログ、物性が掲載された資料を取り寄せ、比較する必要があります。

ここではJIS規格により規定されている新記号(2007年〜)と旧記号との対照表を紹介します。

TPEの記号、新旧JIS記号の対照表
以前のTPE記号 現在のTPE記号 TPEの系統、タイプ
SBC TPS スチレン系熱可塑性エラストマー
TPO 変化無し オレフィン系熱可塑性エラストマー
TPU    変化無し ウレタン系熱可塑性エラストマー
TPEE TPC エステル系熱可塑性エラストマー
TPVC TPZ-(NBR+PVC) NBR 塩化ビニル系熱可塑性ポリマー。この例のように其の他に分類されるTPZは具体的にハードセグメントとソフトセグメントを指定して表記。これはNBRとPVCのブレンド
TPAE TPA アミド系熱可塑性エラストマー

熱可塑性エラストマー(TPE)の主な種類と材料記号

スポンサーリンク

>このページ「熱可塑性エラストマーの新旧の記号、略号の対照表」の先頭へ

加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る

熱可塑性エラストマーの新旧の記号、略号の対照表の関連記事とリンク

TPE(熱可塑性エラストマー)の耐熱温度
TPE(熱可塑性エラストマー)の比重

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集