オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)の特徴|比重、耐熱温度、耐薬品性、用途
ポリオレフィン系のTPEであるTPOは、比重が軽く、耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優れた熱可塑性エラストマーです。耐熱性はエステル系TPEに次ぐ強さを持ちます。また耐寒性にも優れます。欠点としては、耐摩耗性や常温での耐屈曲性、耐油性、圧縮永久ひずみに不足する点などがあげられます。
用途は自動車部品、包装フィルム、家電部品、建築部品などに使われます。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの物性、加工性、ハードセグメント、ソフトセグメント、用途などの情報
ゴムの種類 | ポリオレフィン系 | |
---|---|---|
記号、略号 | TPO | |
生ゴムの性質 | 比重 | 0.89 |
ムーニー粘度ML1+4(100℃) | - | |
SP値(溶解度パラメータ) | 7.9から8.2 | |
加硫ゴムの物理的性質 | 引張強さ(MPa) | 3.4から15.7 |
伸び(%) | 280から620 | |
硬さ(JIS-A) | 50から95 | |
反発弾性(%) | 50 | |
圧縮永久歪み(%) | 51から72 | |
体積固有抵抗(Ω・cm) | 1016から1017 | |
耐電圧(kV/mm) | 50から55 | |
誘電率(Hz) | 2.5から2.7 | |
低温脆化温度(℃) | −60から−70 | |
連続耐熱使用温度 | 85から90℃ | |
燃焼性 | 可燃 | |
耐候性 | ○ | |
耐油性 | × | |
耐熱水性 | ○ | |
耐溶剤性 | △ | |
加工性 | 射出成形 | ○(射出成形温度:210から225℃) |
押出成形 | △〜○(金型温度:25℃、収縮1.4から1.7%) | |
主な用途 | 自動車用部品、絶縁材料、家庭電化製品、土木用建材 | |
分子構造 | ソフトセグメント | EPDM、EPM |
ハードセグメント | PP |
熱可塑性エラストマー(TPE)の主な種類と材料記号
スポンサーリンク
>このページ「オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)の特徴|比重、耐熱温度、耐薬品性」の先頭へ
- 加工材料の性質と特徴(目次)へ戻る
- 熱可塑性エラストマーの新旧の記号、略号の対照表
- TPE(熱可塑性エラストマー)の耐熱温度
- TPE(熱可塑性エラストマー)の比重