ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)の特徴|比重、耐熱温度、耐薬品性、用途
ポリウレタン系のTPEは記号TPUで表記し、ハードセグメントにポリウレタンを採用したタイプで、機械的な強度や耐摩耗性、耐屈折性や耐屈曲性能に優れた熱可塑性エラストマーです。耐油性や耐薬品性にも優れますが、耐熱性に劣るという欠点があります。また圧縮永久歪みも不足しており、熱意に弱いことから耐熱水性にも弱点があります。また時間がたつにつれ黄変してしまうことがあります。
価格は割りと高めの部類になりますが、用途としては自動車の内装品全般、スポーツ用品や靴底などに使われています。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの物性、加工性、ハードセグメント、ソフトセグメント、用途などの情報
ゴムの種類 | ポリウレタン系 | |
---|---|---|
記号、略号 | TPU | |
生ゴムの性質 | 比重 | 1.13から1.26 |
ムーニー粘度ML1+4(100℃) | - | |
SP値(溶解度パラメータ) | 10.0 | |
加硫ゴムの物理的性質 | 引張強さ(MPa) | 24.5から60.0 |
伸び(%) | 350から680 | |
硬さ(JIS-A) | 55から95 | |
反発弾性(%) | 34から54 | |
圧縮永久歪み(%) | 25から50 | |
体積固有抵抗(Ω・cm) | 1012から1013 | |
耐電圧(kV/mm) | − | |
誘電率(Hz) | − | |
低温脆化温度(℃) | −60から−70 | |
連続耐熱使用温度 | 80℃ | |
燃焼性 | 可燃、自己消火性 | |
耐候性 | ○ | |
耐油性 | ○ | |
耐熱水性 | × | |
耐溶剤性 | ○ | |
加工性 | 射出成形 | △(射出成形温度:180から230℃) |
押出成形 | △(金型温度:15から45℃、収縮1から1.5%) | |
主な用途 | 靴底、チューブ、ホース、ベルト | |
分子構造 | ソフトセグメント | ポリエーテル、ポリエステル |
ハードセグメント | ポリウレタン |
熱可塑性エラストマー(TPE)の主な種類と材料記号
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