TS16949とは何か|TS16949の基礎知識

2012年11月05日更新

TS16949は規格の一種で、自動車業界に共通の要求事項を定めた規格になります。略してTS(ティーエス)と呼ばれることの方が多いかもしれません。ISO9001がまるまる元になっているため、正式にはISO/TS16949とも言います。

とくに、自動車部品や自動車用材料メーカーなど、自動車メーカーへ製品を納入する会社を対象に、「欠陥の予防」や「バラつきと無駄の低減」を実現するために必要な自動車業界に固有の要求事項をまとめた規格になります。こうした業界固有の部分を付加した規格は「セクター規格」ともいいます。

基本的には品質マネジメントシステム(QMS)であるISO9001がベースにあり、これに業界固有の部分をさらに付け足したものといえます。このTS16949は自動車業界共通のものですが、さらに個別の自動車メーカーとの取引では、メーカーに固有の個別要求事項を満たす必要があります。例えば、トヨタとホンダに納入するのとではこの部分に違いが出てきます。

TS16949では徹底した顧客志向が貫かれているため、顧客重視が第一にきます。つまるところ、自動車メーカー主体で作られた規格なので、これらメーカーが仕入先に要求する事柄といえます。

TS16949の審査機関認定や、審査登録ルールの制定を行うのはIATFです。また審査登録業務の監視も各地域で行われており、担当するのは米州・アジア・オセアニアではIAOB、イギリスではSMMT、イタリアではANFIA、欧州やアフリカ、ドイツをVDA−QMCとなっています。

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