dual sourcingの意味とは

2024年5月27日更新

Dual sourcingとは調達用語のひとつで、日本語では二社購買といい、ある同一の品物を異なる2社から購入することを意味しています。自社の開発商品を、自社工場での生産と自社の海外子会社での生産の2拠点で生産することに対して使われることもあります。

この大きなメリットは一社に何かあったとしても、もう一社から調達が継続してできるというBCP上の理由、つまり安定調達を実現させる、供給不安のリスクを下げることができるという点がまず一つ。

また、二社からの納入があるので見積もりから情報含め、比較検討が常時しやすく一社独占に比べて透明性を確保しやすい、価格根拠について検証の余地が出てくる等のメリットがあります。例えば、一社が値上げといってきたり、価格の設定根拠を説明した場合に、もう一社からも情報が取れるという利点があります。

一方、デメリットとしては例えば月間で100万個の需要のあるものが二社購買で半々になると、ボリュームによる値下げは得にくくなります。例えば100万個ならA社は単価100円まで下げられるが、50万個ならば120円が限度、というようなケースです。

サプライヤー側のみが開発に関与しているタイプの製品ではなく、バイヤー側が仕様決定や技術的な内容に関与している場合、いかに秘密保持契約を結んでいるといっても、競合他社に情報が流れることを恐れるサプライヤーもあり、その場合は二社購買が成立しないこともあります。

副資材や消耗材ではなく、自社で製造している製品に残るタイプの製品・部材の場合、品質管理上の観点も検討が必要な項目です。例えばA社とB社で製造した同一スペックの材料を使って自社で製品を作っている場合、万が一材料起因の不具合が行った場合、どちらの材料を使って作ったものか追跡や管理ができるのかという問題です。一般に、こうした製品は自社の客先からの承認も必要となることが多く、dual sourcingがしにくくなります。

また過度の値下げ要求により仕入先がメリットがないとの判断になれば、事業撤退や納入契約の辞退というリスクもあります。メリットもある一方、すべての調達で二社購買というわけにはいかない事情も勘案し、使い分けが必要な手法といえます。

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