端数品の定義と英語表現
端数品(読み方:はすうひん)とは、本来の入り数ではない状態になったものを意味し、例えば1箱20個入りにもかかわらず、1箱17個になっている場合、この17個入りのものを端数品と呼びます。つまり端数の定義は本来の規定とは違った数量や重量で入っている数のもの、ということになります。端数の反意語、つまり反対を意味する言葉は現場用語で正数(読み方:せいすう)と呼ばれることもあります。たたこの正数の用法は本来の日本語での意味とは異なるので注意を要します。
上記から、端数や端数品を英語にすると以下のような表現方法があります。
- left-over parts
- odd parts
- odd-snp
- odd-lot order
- odd lot packing
上記の英語を直訳すると、余った数量、規定からずれている不規則・変則的な数量、残りの数量といったものになります。
端数管理は製造現場や倉庫現場ではかなり厄介な業務の一つとなります。というのも、入荷品にしろ出荷品にしろ、生産や出荷品というのは荷姿設定上、1箱何個、1袋何キロという具合に入り数や入り目が決まってます。出荷や入荷の単位も基本この荷姿・梱包の単位で行うので、本来1箱に入っているべき個数が中に入っていない場合は、他と区別するために特別管理する必要が出てきます。
また倉庫からの出し入れというのは、基本、品質維持の管理から先入れ先出し方式が使われます。つまり、古いものから順番に使っていくということです。倉庫に端数品が混ざっておりこれに気が付かないと、どこかのタイミングで数が不足したり、端数がいつまでも解消されずに増えてしまうということにもなりかねません。
在庫管理についても基本は規定されている単位で行いますので、1箱100個入りのものが10箱あるとなれば、1000個あるという換算ができます。これが徹底でいれば、荷量と数量が一致している状態です。10箱出荷すれば1000個の在庫が減り、納入先にも1000個届くということです。
ところがこれに1箱1個しか入っていない端数のものが1箱混ざっていると10箱あっても、9箱×100個+1箱×1個=901個ということになります。
顧客へ出荷するときも契約上の梱包仕様や荷姿は取り決められていることがほとんどですので、1箱20個入りと言われたら、1箱20個入りで納品します。顧客側のほうで端数オーダーを入れて1箱1個でも可している場合は例外ですが、通常はこうした場合荷姿で設定されている20個単位でオーダーが入りますので、1箱19個しか入っていないものを出荷場や工場においておくと、出荷個数不足といったクレームにつながるリスクがあります。
また、製造現場でも総在庫数が変わってきますので、端数管理をしっかり行わないと次のような問題が発生することがあります。生産で使用する部品を1箱100個入りで購入しているものの、その日の生産ですべて使い切れなかったため箱には20個だけ残して倉庫に戻すとします。次の日の生産で別の箱の部品を使って、やはり数が使いきれなかったので30個ほど箱に残して倉庫に返すということを行います。これを繰り返していると、端数箱がどんどん増えていき、倉庫から製造現場に対して一体何箱送り込めばよいのかわからなくなってしまいます。
多くの工業分野の製造現場では、品質上の問題から端数となったものを一つの箱にまとめるという作業をすることが難しいという事情があります。箱ごとに製造ロットが異なる場合もあり、不具合が出た時にどの製造ロットから出た不良なのかトレースができなくなるからです。
したがって端数管理を行う場合、現物の箱に必ず端数とわかるエフや表示などをつけ、端数となってしまった物から順番に使うというルールを徹底していく必要があります。
スポンサーリンク